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【都市対抗】試合同様のドラマも! 鷺宮製作所応援団の思い

 

鷺宮製作所の応援団員、左から大谷さん、小久保さん、高橋さん、田中さん


 応援を通して、社会人としてのコミュニケーションを学んでほしいといった思いから、鷺宮製作所は新入社員が応援団に加入することを新人研修の一環としている。

 過去は高卒入社の男性社員のみを対象としていた研修であったが、現在は高卒、大卒関係なく、体調等に不安な面がなければ男性社員は全員必須となっている(女性社員は任意)。

 都市対抗野球大会本戦が近付く6月中旬からは、通常17時の終業時間を16時に変更して、平日週2回、3時間近く狭山事業所内の食堂やグラウンドを使って練習を行う。さらに土曜日も10時から17時まで練習を行うというから、研修の一環としてこなさなくてはならない新入社員には、少々ハードだ。

 今年の新入社員で、普段は経理部に勤める高橋さんは、「会社説明会でも研修のことには一切触れないので、何も知りませんでした。内定者懇親会で周りから応援団の話を聞いて、そこで初めて知り、やはり最初は戸惑いました」と当時の心境を語った。

 だが、戸惑いはありつつも、学ぶことは多い。自分たちで率先して動かないと応援団のパフォーマンスは成立しないので、言われたことだけをやるのではなく、自分の意見を持ちつつ、考えて動けるようになったのは研修を通して得たことだ。研修が終わってからも、仕事で生かせそうだと誇らしげだ。

 入社4年目でチアリーダーをしている小久保さんは、幼少期からダンスを習っていた。高校の進路相談で「働きながらダンスがやれる会社がある」と先生から紹介されたのが鷺宮製作所だった。

「この研修制度を入社前から知っていました。昨年は初の本戦出場で、私たちの応援に対して大勢の方からのレスポンスがあり、長年ダンスをしている身としては感無量でした」と1年前を振り返る。

 鷺宮製作所にとって都市対抗とは、会社を挙げて社員が一体となれる大会。2年連続出場を決めた今年は、応援も少し変化しているそうだ。

 入社7年目の田中さんと、入社3年目の大谷さんは、「観客参加型の応援を6回に行います。一緒に盛り上がれるようなパフォーマンスを取り入れたので、うちわを持って参加していただき、選手に声援を送りましょう!」とキラキラの笑顔を見せてくれた。

 初戦は7月15日。対戦相手はHonda鈴鹿だ。スタンドからの大きな声援と輝く応援団たちの姿にも試合同様、ドラマが期待できそうだ。

文・写真=豊島若菜
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