夢の甲子園切符をつかむため、一投一打に魂を込める。集大成の夏――。埼玉を熱くする注目選手から目が離せない。 和田朋也(わだ・ともや)
投手/182センチ80キロ/左投左打/3年
1年時からベンチ入りし、夏は自身3度目とチーム一の経験値を持つ。「3年間は早かった」と振り返る。強く印象に残っている試合の一つは1年夏、川越工との準々決勝だ。練習試合も合わせて初完投。最後までマウンドに立つ快感を初めて味わった瞬間だったと同時に、「和田朋也」の名が知れ渡る結果に。しかし、2年夏は4回戦敗退。その後は気持ちを立て直すのに時間を要した。
今春は調子を落としたこともあり、県大会初戦はベンチを温め続けた。その試合は1点を争う接戦。しかも最終回に同点に追いつかれ延長戦へ。それでも、指揮官から呼ばれることはなかった。悔しさがエースとしての自覚を呼び起こし、その後の好投を呼び込んだ。
入学時は75キロだった体重は85キロに増え、下半身の大きさが3年間の鍛錬の成果を物語る。球速も入学時の126キロから139キロまで伸びた。いよいよ迎える最後の夏は「笑顔で終わりたい。過去2度の夏は涙で終わっているので、最後こそ喜び合いたい」。甲子園出場の“悲願達成”は彼の左腕にかかっている。
写真=BBM