夢の甲子園切符をつかむため、一投一打に魂を込める。集大成の夏――。埼玉を熱くする注目選手から目が離せない。 米山魁乙(よねやま・かいと)
投手/177センチ78キロ/左投左打/3年
昨夏の北埼玉大会2回戦。春日部共栄との大一番では暑さの影響もあって足がつった。常に全力投球だったことで大会後半には疲労が表れ準決勝敗退。新チーム結成後、課題に掲げたのは各球種のキレと投球のメリハリだ。冬場の下半身強化で初には最速143キロをマークしたが、球速表示には決してこだわらない。
直球に頼ることが多かった時期には黒坂洋介監督が「打者一人につき直球は2球まで」と制限。変化球の使い方を意識した結果、スライダーも「速い球、遅い球、縦に落ちる球」を投げ分けられるようになった。さらに「星稜の
奥川恭伸投手を見て学んだ」と、チェンジアップはカウント球でも使用。カーブも含めて緩急も自在に操り、今では球数を減らして淡々と打ち取る大人の投球もできる。とはいえ、真骨頂は大事な場面で取る三振だ。
米山は言う。
「強豪とたくさん練習試合を重ねてきた中で直球の質も上がってきたと感じます。まだ高めに浮くこともあるので、もっと精度を高めて夏に臨み、野球を楽しんでいきたいです」
写真=BBM