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渡邉倫太朗[三浦学苑]「打倒・横浜」に燃える本格派右腕/神奈川注目プレーヤー

 

夢の甲子園切符をつかむため、一投一打に魂を込める。集大成の夏――。神奈川を熱くする注目選手から目が離せない。

三浦学苑・渡邉倫太朗


渡邉倫太朗(わたなべ・りんたろう)
投手/182センチ83キロ/右投右打/3年

 自信がある球種は真っすぐ。最速は141キロながらも、数字以上に球威を感じさせるボールで「対角線に決まったときは打たれません」と胸を張る。渡邉倫太朗は中学時代に日本一を経験し、三浦学苑では入学当初からベンチ入りを果たすなど1年時から公式戦で起用されてきた。

 こうして順調に歩みを進める渡邉の前に大きな壁として立ちはだかったのが、横浜だ。秋の県大会では2年連続でコールド負けを喫しており、特に昨秋は「甘い球を逃さずにしっかりととらえられた」と初回に2ケタ11失点で5回コールド。それだけに「横浜を倒したいという気持ちが強い」という。

 そこで「打倒・横浜」を目指し、冬のオフシーズンではウエートトレーニングに励んできた。「ベンチプレスやアームカールで上半身を重点的に鍛え、体幹トレーニングもやりました。その成果もあって、この春はボールが以前よりも力強くなっていると感じています」。ちなみに効果はバッティングにも表れ、昨秋は下位打線だったのが今春は五番を任されるようになった。

 また、メンタル面についても「樫平(剛)監督から頭と心を鍛えるように言われているのですが、野球以外のところでもこれまで気付きもしなかったゴミを拾う気配りができるようになり、試合でも周囲を見ながら余裕を持って投げられるようになりました」と着実に成長している。

 ただ、今春は調子がもう一つ。それでも練習試合では粘りの投球をみせていたが、平塚学園との県大会の初戦では立ち上がりの初回に3四球。さらに3安打を集中されていきなり4点を失うと、2回、3回にもエラー絡みとはいえ踏ん張り切れずに失点を重ね、リードを広げられた。

 それでも4回表からは立ち直り、ストレートは自己最速タイの141キロをマーク。真っすぐで押して、キレの良い縦のスライダーを振らせる得意のパターンで三振も6イニングで5つ奪った。ただ、チームは5対7で初戦敗退。

「自分の弱さが出てしまった」と反省の弁を述べた渡邉だが、その一方で「樫平監督にはずっと使ってもらっているので、その期待に応えたい」と決意を語った。

 最後の夏はリベンジよりも、恩返しする気持ちで、心身ともにピークに持っていくつもりだ。

写真=BBM
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