昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 長嶋のボーナス倍増?
今回は『1968年1月29日号』。定価は60円。
サン
ケイ・アトムズの鬼監督・
別所毅彦が燃えている。
自主トレとは言っているが、1月8日の初日からほぼ全員参加。別所は「なんとか私もユニフォームを着たいと思ったのだが、コミッショナー事務局にダメと言われた」と笑う。
前年秋季キャンプで話題となった6か条もあらためて出ていた。
1 練習中の私語、談笑を禁止する
2 練習場では二歩以上は駆け足にする
3 なにごとがあっても練習場を離れてはならぬ
4 練習中は禁煙とする
5 故障者はただちにトレーナーに報告し、手当を受けた後、一目で故障者と分かる標識をつけること
6 インタビュー、そのほかについては監督の許可を受けなければならない
標識って何とは思うが、それほど奇抜なものはないか。
とにかく練習はハード。選手は毎日筋肉痛になっていたという。
なお、国立競技場内のトレーニングセンターで練習していた際、場内の拡声器になぜかラジオ中継が入ってしまったことがある。
それも漫談の牧伸二の番組だ。
ちょうど彼の十八番が流れた。
「ああああ、やんなっちゃった、あああ、おどろいた」(あの数適当)
選手は思わず爆笑したが、すぐさま
豊田泰光兼任コーチに、
「こらっ! いま笑ったやつはだれだ。もういっぺん笑ってみい。練習を倍にするぞ」
と一喝。
選手は「その前にラジオを消してくれ」と言ったとか言わなかったとか。
1号1号追いかけていると、あれ、と思うこともある。
巨人・
長嶋茂雄の10年目のボーナスが前回4000万とあったのに、今回は8000万となっていた。一方で前回、野球協約で基本420万円と決まっている、とあったが、今回の一覧表では、
杉浦忠(南海)が300万、本屋敷(
阪神)90万とあった。
今回が正しいということか。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM