ペナントレースは後半戦がスタートした。優勝の行方、タイトル争いなど見どころは多々あるが、ここではセ・リーグ6球団で達成が期待される記録を取り上げよう。(記録は7月15日現在)。 読売ジャイアンツ
前半戦は記録達成ラッシュだった。
阿部慎之助の400本塁打を筆頭に、同選手の350二塁打、
坂本勇人の200本塁打、
丸佳浩の150本塁打。投手では
山口俊の1000投球回に、
菅野智之の1000奪三振だ。とはいえ、後半戦は個人ではなく、チームに注目。今季開幕前時点では通算5922勝、ここまで49の勝利を積み上げているから、日本では前例のない通算6000勝にあと29勝としている。残りは62試合で、5割の勝率でも十分に到達可能。現在の好調をキープすれば、早い段階でのクリアの可能性もありそうだ。
広島東洋カープ
広島では、菊池涼介が通算1000試合出場を近々達成することになりそうだ。今季スタート時点で残り91試合、ここまでに84試合に出場しており、残り試合は7。順調にいけば7月下旬の本拠地マツダ広島での
中日戦で達成することになる。この記録は、昨年までNPBでは496人、さらにオールスターまでに、今季3人が達成している。7月15日に
鈴木大地(
ロッテ)が達成して500人目は譲ったが、一流選手の勲章には違いない。昨年末には、近い将来のポスティングでのメジャー挑戦希望の意思を表明している菊池涼だけに、NPBでの試合出場記録としては最後の節目になる可能性も。
横浜DeNAベイスターズ
山崎康晃が通算150セーブに「あと1」と迫っている。前半戦を終えて、31試合に登板、1勝1敗16セーブ、防御率1.20と安定しており、記録達成は時間の問題だろう。歴代の150セーブ到達スピードでは1位・
クルーン(元巨人ほか)が250試合、2位・
馬原孝浩(元
ソフトバンクほか)が267試合、3位・
小林雅英(元ロッテ)が312試合と続いている。現時点で通算273試合に登板する山崎は、このままいけば歴代3位のスピード達成となりそうだ。
阪神タイガース
現在、リーグ2位タイの位置につけている阪神。その要因は強力な中継ぎ、抑え陣が7回以降に控えているからだ。その大トリのクローザーとして君臨しているのがドリスだ。今季4年目を迎え、150キロ後半の真っすぐと、鋭く落ちる140キロ台のフォークのキレが増している。2017年に最多セーブ王にも輝いたドリスは、今季37試合に登板し3勝3敗18セーブ、防御率1.47と安定感のある投球を続けている。この4年間で積み重ねたセーブは95。あと「5」でNPB通算100セーブという名誉ある数字に届く。暑くなるにつれ毎年調子を上げていくタイプだけに、チームの調子が良ければ7月後半から8月前半までには到達しそうだ。
中日ドラゴンズ
2つの節目が懸かっている。平田良介は、現在通算945安打。1000安打まで残り55安打としている。5月中旬に左ふくらはぎの肉離れで一時離脱したが、現在は復帰。徐々に調子も上げており、打率.307、出塁率.370で一番打者を担う。残り62試合での大台到達は再度の離脱さえなければ間違いないだろう。さらに、通算本塁打も現在98本。100本塁打達成は、時間の問題だ。ちなみに、
高橋周平は今シーズン25本の二塁打を放っている。二塁打のシーズン記録は
谷佳知(元
オリックスほか)の52本。こちらの更新はやや厳しいかもしれないが、やり遂げそうな空気も漂う。
東京ヤクルトスワローズ
今季はここまで先発出場は15試合にとどまっており、代打を中心に16安打をマークしている大引啓次。大台の1000安打までは残り「4」まで迫っている。大きな見せ場は6月3日のDeNA戦(横浜)で訪れた。チームは球団ワーストタイとなる泥沼の16連敗中。そんな悪い流れを一変させたのは、大引が初回に放った右中間への適時三塁打だった。塁を埋めた走者を一掃する、値千金の一打となった。連敗ストップの立役者は試合後のお立ち台で「お待たせしました!」とファンにあいさつ。後半戦ではまず記録を達成し、ベテランらしい勝負強さを発揮していきたい。
写真=BBM