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西武が05年以降最速で公式戦観客動員数100万人を突破した理由

 

満員の観客が詰めかけるメットライフドーム


 西武が7月19日のオリックス戦で、今季の主催試合の観客動員数が100万人を突破した。これは、プロ野球の観客動員数が実数発表となった2005年以降、最速となる40試合目での達成だ。7月19日現在、100万1583人となる。

 今季は昨季リーグ優勝したことなどにより、埼玉西武ライオンズファンクラブの会員数は過去最速となる公式戦開幕前の3月1日に10万人を突破。さらに、会員数は7月16日時点で11万7000人超となり過去最高を更新している(昨シーズン最終会員数は約10万4000人)。

 前身の西鉄クリッパース誕生から70年を迎えた今季は辻󠄀発彦監督のもと、チーム面においては、新キャプテンに就任した秋山翔吾がリーグトップの111安打をマーク、昨季パ・リーグ最多本塁打者賞を受賞した山川穂高がシーズン序盤から本塁打を量産、打点では山川(72点)、中村剛也(67点)がリーグ1、2位につけていること、また、金子侑司が盗塁数リーグトップの30を記録するなど活躍。投手陣も高橋光成(7勝)や本田圭佑(5勝)、今井達也(5勝)など若手が躍動し、貯金2で3位につけている(記録は17日終了時)。

 加えて、営業面においては昨季に引き続き埼玉県内の小学生(新1、2年生)約11万人にベースボールキャップを贈呈したことで、ライオンズファンの継続的な拡大につながっている。

“チャンピオン開幕シリーズ”と称して開催した本拠地開幕3連戦では、チャンピオンペナント、チャンピオンリング、チャンピオンマントなど昨季のリーグ優勝を記念したグッズを配布し、平日にも関わらず、3試合で7万人以上が来場。さらに、球団創設70周年を記念してサードユニフォームを製作し、全9試合で選手が着用するなど関連するイベントを実施。その中でも来場客にユニフォームを配布した2試合(4月14日、6月30日)はチケットが完売するなど好評を博した

 また、10連休であったゴールデンウィークでは、ファミリー向けの施策を複数実施したことで、ホーム6連戦で18万人超と多数のファンが来場。その中でも、こどもの日に、来場したこども向けの「山川選手のサインが入ったキッズヘルメット」の配布は注目を集めた。ウーマンフェスタ(5月25日、26日)には、女性のニーズを考慮した企画を実施し、レディースユニフォームの配布も行ったことで、女性を中心に来場。その他、改元に合わせた企画の実施やビール半額デーの開催試合の増加など、さまざまなファンのニーズに沿った企画を数多く実施したことも、観客動員数の増加に寄与したと考えられる。

 上記に加えて、2017年12月から進めているメットライフドームエリアの改修工事の第一弾となる「ライオンズ トレーニングセンター」「若獅子寮」「ライオンズ チームストア フラッグス」「オフィス棟」が、2019年6月に竣工し、7月15日にはチームグッズの大型旗艦店「ライオンズ チームストア フラッグス」がグランドオープン。2021年まで続くメットライフドームエリアの改修計画によるボールパーク化に対するファンの期待や注目も、観客動員数増加の要因の一つであると考えられる。

 昨季は、収容人数が4万5000人を超える東京ドームでの開催などもあり、前のシーズンよりも3試合早い41試合目で100万人を突破。今季は東京ドームでの開催がないことやメットライフドームよりも収容人数の少ない地方球場での試合が5試合(昨季は100万人到達までに地方球場は2試合のみ)あったが、今季のチームへの期待感や上記のような営業施策がかみ合ったことなどにより、2005年以降球団最速、そして昨季よりも1試合早い40試合で100万人を達成することができた。

 さらに、前半戦終了時点の平均動員数は2005年以降最多の2万5159人で、昨年比104パーセント(昨季は2万4110人)、メットライフドームでの1試合平均(メットライフドーム1試合平均)は2万6549人で、昨年比111パーセント(昨季は2万3911人)となった。

辻発彦監督のコメント
「2005年以降、最速での100万人達成は、ひとえにファンの皆さま方のおかげです。いつも、大きな声援をいただき、本当に感謝しております。昨シーズンの優勝も皆さまの力強い声援があったからこそできたと思っております。これからシーズン終盤まで厳しい戦いが続くと思いますが、2連覇、そして昨年果たせなかった日本一へ向けて、チーム一丸となって戦っていきます。これからもメットライフドームにお越しいただき、選手たちに熱い声援を送っていただければ幸いです」

キャプテンの秋山翔吾選手のコメント
「いつも熱いご声援をいただき、ありがとうございます。皆さまの声援は、選手みんなの力になっています。秋には再びファンの皆さんと一緒に、そして昨シーズン以上の喜びを分かち合えるよう、残りの試合も全力でプレーしていきますので、これからも応援よろしくお願いします」

写真=埼玉西武ライオンズ提供
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