愛息とともにヒーローインタビューに立ったロペス(左は見事な救援で初のお立ち台に登壇した武藤)
取材の終わりに話題がユニフォームを脱いだ後のことに話が及ぶと、ロペスの表情が父親のそれになった。「長男が生まれて12年。家族といっしょに過ごす時間が少なかったので、もし引退したとしたら2〜3年はゆっくりしたよ」。
日本にやってくる助っ人たちは家族を大切にする選手が多いが、ロペスも同様だ。母国ベネズエラに暮らす妻と子どもたちが、この7月に来日。21日の
中日戦(横浜)では愛する家族のために、最高にカッコいいお父さんを演じてみせた。
3回、二死満塁のチャンスで振り抜いた打球は左翼スタンドに一直線。この日はちょうど息子の
ホセ・ロペスJr.くんの13歳の誕生日。序盤に飛び出したバースデーを祝う満塁弾が試合を決めた。さらに、この一発はロペス自身にとっても日米通算1000打点のメモリアルアーチとなった。
試合後は愛息をヒーローインタビューに呼び寄せると「今日は息子の誕生日なので、絶対に打ってやるという気持ちだった。一生忘れることのない本塁打になった」と感慨深げ。
来日7年目、5年目を迎える
DeNAの雰囲気を「家族のようだ」と表現するロペスは、後半戦7試合で3本塁打、12打点と大暴れ。後半戦に5勝したすべての試合でヒーローインタビューに登壇する活躍ぶりで、チームを4月18日以来となる貯金生活に押し上げた。“家族を愛する”助っ人のバットが、ベイスターズを支えている。
文=滝川和臣 写真=井田新輔