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週べ60周年記念

堀内恒夫、怖いのはベッド?/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

前でとらえるか、引き付けるか


表紙は巨人堀内恒夫


 今回は『1968年3月18日号』。定価は60円。

 これは前年からだったようだが、大下弘新監督の東映のキャンプで少し混乱が生じていた。
 コーチである藤村富美男飯島滋弥の指導論の違いだ。
 藤村コーチは現役時代の自身同様、「前で打て」派。
「遠心力を利用して打てということだ。わしは現役時代37インチのバット(94センチ)を使っていた。長くて重いバットの遠心力を一番うまく使える打ち方なんだ。横に振るわけじゃないが、ハンマーでクイを打つようなイメージだね」
 
 いまはほとんどいないが、1リーグ時代はこういう打ち方をしている選手も多かった。ただ、この手のスイングの人は、たいてい変化球がまったく打てなかった。
 藤村の場合、連続写真を見るとパワーだけではなく、長いバットを器用に使っているのが分かる。だから変化球も対応できたのだと思うが、誰もができるわけではない。

 対して飯島は、
「力学的には前に置いたほうが飛ぶのかもしれないけど、日本のピッチャーは変化球が多い。後ろにポイントを置いて打つのが正しい気がします」
 こちらは先輩・藤村を立てて、やや言い方がマイルド。

 この2つの指導に挟まれたのが、前年の白仁天だった。藤村の言うとおり、前で打っていたら飯島コーチに、
「体が前に泳いでしまっては、お前の怪力が逃げてしまう。それではボールが飛ばん。もっと引き付けて打て」
 と怒鳴られる。どっちを聞けばいいのか迷い、
 結局、「両方やってみよう」となって、最終的には飯島理論に落ち着いたらしい。
 よくないのは大下監督、とも言われていた。白だけでなく、2人の指導に迷うものは多かったのだが、何も言わず、見ていただけだったからだ。

 2月23日、中日の投手・近藤瑞郎が練習中に脳内出血。命に別状はなかったが、選手が引退となった。

 巨人の堀内恒夫がベロビーチのドジャースキャンプに武者修行に。少人数での参加だけに食事面や言葉など、さまざまな不安が言われたが、堀内はそれらは大丈夫と言う。
 唯一の不安は、
「ベッド。僕は寝ているとベッドから落ちる癖があるんですよ」
 とのことだ。

 では、また月曜日に。
 
<次回に続く>

写真=BBM
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