7月27日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で9回途中3失点の好投。5勝目を手にした
末恐ろしい20歳だ。防御率は12球団トップで、唯一の1点台である1.89。最速156キロの直球に、カットボール、スライダー、フォークは、いずれも140キロ台と球威は抜群。そこに120キロ台のカーブで緩急も交える。
7月27日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、9回二死から
デスパイネに3ランを浴びて、目前で完封こそ逃したが、8回2/3を3失点の好投で5勝目を手に。開幕から打者を圧倒し続けている。
さらに特筆すべきは球数だ。15試合に先発して109回1/3にマウンドに上がり、ここまで投じた球数は計1620。1イニングあたり約15球の計算で、実にストライク率は約67パーセントを記録する。速球をテンポよく、それもストライク先行で投じ、フォークやカットボールの決め球も球威があるかゆえ、打者も早いカウントで勝負を仕掛けていく。“投手ペース”の結果の“省エネ投球”である。
「100球投げるなら、100球すべてストライクを投げたいと思っているんです」
負けない、打たれない、そして疲れない――。この3つを理想に掲げる右腕。“疲れない”ためのストライク先行は、“打たれない”自信の裏返しでもあるのだろう。
“負けない”投手へ成長を続ける右腕。果たして、最終的にどんな成績を残すのだろうか。
文=鶴田成秀