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川口和久WEBコラム

原辰徳監督の本気が見たくないか?/川口和久WEBコラム

 

四番・坂本の真意は


7月27日、巨人阪神戦のメンバー


 先週末、レジェンド解説で東京ドームに行ってきた。知っている人も多いと思うが、球場内だけの解説で、お互いのOBが組んでやるもの。7月27日は阪神戦だったので、岡田彰布さんと一緒だった。

 なぜか、俺はレジェンドで行くと、今村信貴の先発が多いのだが、今回も、やっぱりそうだった。
 彼は俺がコーチ時代に入った選手で、当時に比べたらずいぶん成長し、先発の一角に入っているが、投げるスタミナがまだない。5回まではいいピッチングをしても、6回以降は別人になる。この日も、そうだった。

 スタミナと言っても体力面だけではない。首脳陣が後半の彼に信頼を置いていないこともあってか、いまは100球を目途になっているが、その前後になると、結果がほしくて投げ急ぎになっているように見える。もともとは緩急をうまく使うタイプなのに、全部手ごろな半速球になるというのかな。 
 巨人という選手層の厚いチームで長くやっていきたいなら、越えなきゃならない壁だろう。

 そういえば、この試合で澤村拓一が手痛い一発を浴びたが、フォーム的には少しよくなってきたと思う。
 彼が悪いときは、体が突っ立つようになって、体の回転と腕が合わず、上体だけで強引に投げるのだが、少し背中が丸まりふところが広くなっていた。
 こうなると、腹筋を使って投げることができるので、股関節、下半身もうまく使えるようになる。
 彼の場合、しょっちゅうフォームを変えているから、この日だけかもしれないけどね。

 この日の巨人で驚いたのは、二番だった坂本勇人を四番に、四番だった岡本和真を七番にしたことだ。
 成績だけを見たら別に不思議じゃないが、二番に坂本を置いて序盤から大量点を狙うのが、原辰徳監督の野球の売りだったし、いまさらながらだが、「岡本は四番を外さない」と言っていたような言わなかったような……。
 この人のガラリの切り替えは、いつものことだけどね。

 話は少しそれるが、打順変更と言えば、少し前にDeNA筒香嘉智を二番にしたのが話題になった。

 彼の出塁率の高さと、得点圏打率の低さを考えたと言っていたが、ラミレス監督から筒香への、待球してチャンスを広げるより、もっと積極的に打ってほしいというメッセージもあっただろう。

 巨人の打順変更は、ほとんどの人は、連敗からの流れを変えるためやったと思ったかもしれないけど、俺はこれからの1週間のため、だと思った。
 原監督の中では、あの日は負けても仕方ないと割り切ったのかもしれない。阪神は調子を落としていたし、負けてもあとを引かない。ただ、翌週対戦する広島、DeNA戦は調子も上がっているし、絶対に落とせない。
 そうなると、その前に一度、新打順を試してみてもいい、と思ったんじゃないかな。

 あとはゲーム差だろう。あの時点の4・5ゲームは、原監督にとって、まだ余裕があったはずだ。
 コーチ時代、よく言っていたが、3ゲーム差と4ゲーム差は天と地ほどの差がある。3ゲーム差は下手をしたら1週間で詰まるから、もはやあってないようなもの。4ゲーム差も詰まるとしても2週間はかかるし、ちょっとしたことで、相手の気持ちが折れかかる5ゲーム差、6ゲーム差にもなる。

 これまで、原監督は打順、捕手の起用法、リリーフの使い方と、いろいろ試しながら、ここまで来た。これは巨人の豊富な戦力があってこそだが、いわば下準備をじっくりやってきたと思う。
 
 ただ、ここからの広島、DB戦次第でゲーム差はさらに詰まる可能性がある。もし、3ゲーム差以内になったら、そのときこそ、原監督の本気が見えると思う。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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