試合終了後、河村投手コーチ(右)から祝福を受け、うれしそうな表情を浮かべた石井
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1993年8月3日だ。
92年、東京学館浦安高からドラフト1位で
ヤクルトに入団した
石井一久だが、1年目は12試合に登板して防御率4.19に終わり、白星を挙げることはできなかった。
迎えた2年目。7月28日の
巨人戦(神宮)で初先発したが4回2/3を投げて4失点でKO負けしてプロ入り初黒星を喫していた。それでも
河村保彦投手コーチは「負けがつくということは試合を任されている証拠」と成長を認めていた。
そして、8月3日の
阪神戦(甲子園)だ。再び先発した石井は5回降雨
コールドながら5三振を奪い、プロ初勝利。「腕が縮んでいるのが自分でも分かっていたけど、気持ちで負けないようにした」と3回無死満塁のピンチを切り抜け、念願の初白星を手にした。
入団時からその素質を高く評価していた
野村克也監督もタナボタの勝利に「石井らしい勝利や」とニヤリ。久しく待ちかねた先発左腕投手の誕生に手ごたえを感じてっていた。
写真=BBM