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夏の甲子園で初出場校はどんな成績を残している?

 

いよいよ8月6日から「第101回全国高等学校野球選手権大会」が開幕する。今年も全49校が「深紅の大優勝旗」を懸けた熱い戦いを繰り広げるが、毎年フォーカスされるのが「初出場校」だ。今年は長野代表の飯山高と愛知代表の誉高、宮崎代表の富島高の3校が初出場で、各地の強豪とどのような戦いを見せるのか注目されている。では、夏の甲子園に初めて出場した高校は、過去にどのような成績を残しているのだろうか。

初出場での躍進は難しいか


1991年、夏の甲子園初出場で初優勝を成し遂げた大阪桐蔭高


 今回は、1989年から2018年まで過去30年間の全国高等学校野球選手権大会の結果を調べ、夏の甲子園に初出場した高校の成績をまとめてみた。

 過去30年間での初出場の総数は267校。大阪桐蔭高や光星学院高、花咲徳栄高といった現在の強豪校もこの中に含まれている。こうした初出場校の成績は以下のようになった。

・1回戦敗退……115校(43.1パーセント)
・2回戦初登場で敗退……60校(22.5パーセント)
・2回戦で敗退……38校(14.2パーセント)
・3回戦で敗退……31校(11.6パーセント)
・準々決勝で敗退……16校(6.0パーセント)
・準決勝で敗退……4校(1.4パーセント)
・決勝で敗退……1校(0.4パーセント)
・優勝……2校(0.8パーセント)

 初出場した267校のうち175校、およそ66パーセントが1勝もできずに敗退。光星学院高、敦賀気比高、京都成章高、日南学園高といった甲子園の常連・強豪も、初出場時には初戦で敗退している。甲子園で初勝利を挙げるのはそう簡単ではないのだ。

 一方、ベスト8以上の成績を残したのは23校あり、そのうち初出場ながら優勝を果たしたのが1991年の大阪桐蔭高(大阪)と2013年の前橋育英高(群馬)だ。大阪桐蔭高は初出場ながら決勝で沖縄水産高(沖縄)を破り、創部4年目で夏の甲子園制覇という快挙を果たした。前橋育英高は決勝で延岡学園高(宮崎)と初優勝を懸けて戦い、4対3で勝利。1991年の大阪桐蔭高以来となる夏の甲子園での初出場・初優勝を飾った。

 残念ながら初出場・初優勝を逃したのが2004年の済美高(愛媛)。同年の春のセンバツで初出場・初優勝を果たした済美高は、春夏連覇を懸けて夏の甲子園に出場したが、決勝で駒大苫小牧高校に敗れている。

過去に初出場・初優勝を成し遂げた高校は何校あるのか


 では、夏の甲子園の全歴史を通じて初出場・初優勝を果たした学校はいくつあるだろうか? 実は、戦前の大会まで含めると全部で14校が初出場・初優勝を成し遂げている。

●夏の甲子園で初出場・初優勝を成し遂げた高校

・1916年 第2回大会 慶應義塾普通部(東京)
・1917年 第3回大会 愛知第一中(愛知)※現在は旭丘高
・1919年 第5回大会 第一神戸中(兵庫)※現在は神戸高
・1923年 第9回大会 甲陽中(兵庫)※現在は甲陽学院高
・1931年 第17回大会 中京商(愛知)※現在は中京大中京高
・1936年 第22回大会 岐阜商(岐阜)
・1949年 第31回大会 湘南高(神奈川)
・1955年 第37回大会 四日市高(三重)
・1965年 第47回大会 三池工高(福岡)
・1968年 第50回大会 興国高(大阪)
・1971年 第53回大会 桐蔭学園高(神奈川)
・1976年 第58回大会 桜美林高(東京)
・1991年 第73回大会 大阪桐蔭高(大阪)
・2013年 第95回大会 前橋育英高(群馬)

 群雄割拠の戦前や戦後まもなくの時代は、比較的短い間隔で初出場・初優勝校が出ている。しかし、桜美林高から大阪桐蔭高までは15年、大阪桐蔭高校から前橋育英高校までは22年かかっており、近年はスパンが広がっているようだ。強豪校とそうでない高校との力の差が顕著になっており、新勢力の台頭が難しくなっているためではないだろうか。

 それでも一発勝負のトーナメントは何が起こるのか分からないのが魅力。今年初出場の飯山高、誉高、富島高の躍進に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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