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「野球未経験」の子供たちが野球の魅力を体感できる取り組みとは

 

未経験の子どもたちが野球に興味を持つ「きっかけ」となる環境を作ることも必要だ


「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は少年野球の普及活動についてお話しさせていただきます。

 私が現在携わっている野球普及活動の一環として、公益財団法人・杉並区スポーツ振興財団が主催しているベースボール教室が週に1度、区内の運動場で開催されています。この教室の面白い点は、野球未経験の子供たちが入りやすいことです。(1)4〜6歳の未就学児、(2)小学1〜3年生の野球未経験者、(3)小学生で経験者の3クラスに分かれているため、実力が極端に離れていない子どもたちが野球を純粋に楽しめます。活動日は5月から7月の火曜日で6月4日を除く計8回。子どもたちがバットを振って打球を飛ばし、目を輝かせて喜んでいる光景が新鮮に感じました。

 最近は元プロ野球選手が主催する「野球塾」が増えています。元プロ野球選手の指導は本格的に野球に取り組む子どもたちの可能性を引き出す点で非常に貴重だと思います。一方で、個人的に感じるのは未経験の子どもたちが野球に興味を持つ「きっかけ」となる環境が少ないように感じます。

 昔の子どもたちは放課後になると毎日のように近くの公園やグラウンドで野球をして、その延長で少年野球チームに入るケースが多かったですが、近年は球技を取り巻く環境が大きく変わりました。バットを振ることやボールの使用を禁止されている公園や公共施設が多く、子どもたちが野球に触れ合う機会が減っています。このような子どもたちが地元の少年野球チームに入るのは少しハードルが高いように感じます。

 今はさまざまなスポーツのスクールが選択肢としてあります。野球未経験の子どもたちが多い中で野球に興味を持ってもらえるような環境作りが、競技人口の拡大に必要ではないでしょうか。杉並区のベースボール教室は子どもたちが野球の魅力を体感できる非常に有意義な取り組みでした。今後、同様の活動が全国に広がってほしいですね。

文・写真=インプレッション・平尾類
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