今年で101回目を迎える全国高校野球選手権。いわゆる「夏の甲子園」だが、記念すべき100回目を迎えた昨年は大阪桐蔭が優勝し、大阪府の高校は13度目の夏の甲子園制覇となった。一方、大阪桐蔭に敗れた金足農は、秋田県勢初の優勝を逃す形となってしまった。さて、この秋田県のように、夏の甲子園を制覇していない都道府県はいくつあるのかご存じだろうか？

19の県が夏の甲子園未制覇

　1915年の第1回大会から、2018年の100回大会までの優勝校を都道府県別に見ると、優勝校を出したことのある都道府県は全部で28。昨年の大会で優勝まで目前に迫った秋田県を含め、以下の19の県ではまだ優勝校が出ていないのだ。

●夏の甲子園の優勝校が出ていない都道府県

青森県、岩手県、宮城県、秋田県、
山形県、福島県、新潟県、富山県、
石川県、福井県、山梨県、滋賀県、
鳥取県、島根県、岡山県、長崎県、
熊本県、宮崎県、鹿児島県

　夏の甲子園に9度出場している光星学院のある青森県や、名門校・鹿児島実のある鹿児島県など、県内に有名な強豪校を擁する県も意外なことに夏の甲子園を制していない。それだけ甲子園優勝というのは難しいものなのだ。ちなみに、上で挙げた県のうち、岩手県、山形県、富山県、福井県、山梨県、鳥取県、島根県、長崎県の8県は決勝戦にも未進出となっている。

春のセンバツを含めると？

　では、春のセンバツ大会を含めると、優勝校を出していない県はいくつになるのだろうか？　まず、春のセンバツで優勝校が出ていない都道府県を調べてみた。

●春のセンバツの優勝校が出ていない都道府県
北海道、青森県、岩手県、宮城県、
秋田県、山形県、福島県、群馬県、
千葉県、新潟県、富山県、石川県、
山梨県、滋賀県、鳥取県、島根県、
福岡県、佐賀県、宮崎県

　春のセンバツ大会の優勝校が出ていないのは全部で19県。くしくも夏の甲子園未制覇の都道府県と同じ数になった。これらを踏まえ、春と夏の両大会でいまだ優勝校が出ていない都道府県をまとめたところ、以下のようになった。

●春・夏の両大会で優勝校が出ていない都道府県
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、
山形県、福島県、新潟県、富山県、
石川県、山梨県、滋賀県、鳥取県、
島根県、宮崎県

　春・夏の両大会で優勝校が出ていない県は全部で14。上でも触れたが、青森県の光星学院は、夏に9度、春に10度の出場を誇る名門。しかし、これまで3回（夏2回、春1回）決勝に進出したものの、いずれも準優勝に終わっている。ほかにも、宮城県の仙台育英、石川県の星稜も決勝に進んだものの、涙をのんでいる。有名な強豪校でも、春と夏の頂点に立つことができていないのだ。

　今年は、春のセンバツを制した東邦（愛知）が地方予選2回戦で敗退、ほかにも国士舘（西東京）や日章学園（宮崎）などのセンバツ出場の強豪校が予選で早々に敗退する波乱が目立つ。この流れが甲子園大会にも影響すれば、これまでなかなか決勝に進めなかった県の高校が躍進し、初の優勝旗を持ち帰る可能性も高まるだろう。

　甲子園大会の開幕は8月6日。贔屓（ひいき）の学校もいいが、こうした「夏の甲子園を制していない都道府県の高校」を応援してみるのはいかがだろうか。

文＝中田ボンベ＠dcp　写真＝BBM