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球界デキゴトロジー/8月10日

地味な連続試合出塁記録を派手なものに変えたイチロー(1994年8月10日)

 

57試合連続出塁の日本記録を達成してファンの声援に応えるイチロー


 野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1994年8月10日だ。

 阪急の石嶺和彦が86年に56試合連続出塁の日本記録を作ったとき、ここまで話題になることはなかった。考えてみれば、どこがどうすごいのかと問われると、少し答えるのが難しい記録。極端な話、56試合ノーヒットでも、全試合で四球を選べば日本記録になってしまう。

 石嶺の場合、この間、.367の高打率を残しているのだから、やはり大変な記録なのだが、それでもその重要性が認識されることはなかった。

 だが、94年、シーズン200安打を射程距離に収めたイチロー(オリックス)が挑み始めるや、俄然注目され始めた。「あのイチローが挑戦するのだから連続試合出塁記録は大変なものなのだろう」というわけだ。記録が先にあるのではなく、人が先にあっての記録――。この“逆転”は久々のことだった。

 8月10日、高松で行われた日本ハム戦、日本記録はあっけなく達成された。初回、武田一浩から一、二塁間を破る右前打を放ち、堂々の日本新。「朝の5時まで眠れなかった」というイチローだが、打席ではそんなプレッシャーなど感じさせないリラックスぶり。5回にも中前打をマークし、打率を.397まで押し上げた。

写真=BBM
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