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2019夏甲子園

[甲子園・記者コラム]来年ドラフト上位候補、明石商“2年生コンビ”のすごさとは?

 

日本中が注目する甲子園。現地で取材を行う記者が、その目で見て、肌で感じた熱戦の舞台裏を写真とともにお届けする。

ボールにパワーがある中森


明石商のエース・中森(左)と不動の一番・来田(右)は来年のドラフト上位候補だ(写真=田中慎一郎)


 2年生とは思えない風格である。

 明石商のエースと不動の一番打者。気が早いのは承知の上だが、右腕・中森俊介と中堅手・来田涼斗は2020年のドラフト上位候補と言われている。

 2人のどこに魅力があるのか、プロに聞いた。巨人・長谷川国利スカウト部長は語る。

「中森君は体の『張り』がすごい。ボールにパワーがある。来田君は足があって、馬力がある。野球をものすごく、楽しそうにやっているのも良いですね。木製バットにも対応できそうなスイングをしています」

 花咲徳栄との初戦(2回戦)を4対3で勝利。4万4000人の大観衆を魅了した。2人は1年夏から3季連続甲子園。入学以来、欠かさず、全国舞台に名乗りを上げている。

 今春のセンバツでは4強進出の立役者になった2人。夏の初戦で春からの成長を確認することができた。

 中森は「修正力」である。

 序盤、ストレートが走らないと判断した段階で変化球主体に切り替えた。4回には押し出しで先制を許し、中盤も制球に苦しむ場面が見られたが、終盤はギアを上げて、粘りが真骨頂の花咲徳栄打線を、試合前から想定していた3失点に抑えている。

 持ち味は150キロに迫るストレート。スライダーのキレも本調子ではなかったこの日は、チェンジアップを効果的に使い、引き出しの多さを見せた。だが、トータル的にはこの日の内容は不満であり、「下半身が使えなかった。次戦までには修正していきたい」と反省も忘れなかった。

天性の打撃センスを持つ来田


 来田は何といっても「出塁→得点」である。

 1点を追う5回裏は二死走者なしから中前打で出塁して、二番・水上桂の一時逆転2ランにつなげた。3対3の同点で迎えた7回裏は先頭で左中間二塁打。犠打エラーを挟んで、主将・重宮涼の右前適時打で決勝のホームを踏んでいる。「来田が出れば、得点」というのは明石商が最も得意とするパターンだ。

「体の反応で任せるタイプです」

 天性の打撃センス。センバツ準々決勝(対智弁和歌山)では大会史上初の先頭打者弾とサヨナラ本塁打を放つなど、一発長打もある。抜群の脚力で、中堅手としての守備範囲も広く強肩。攻守走3拍子そろうスタイルは、将来的にトリプルスリーを狙える素材だ。

 来田は言う。

「全国制覇を狙います」

 2年連続2回目の出場で夏初勝利を挙げた明石商は市立高校だ。公立勢の夏優勝は2007年夏の佐賀北以来遠ざかっている。同校は2回戦から登場で、中3日で3回戦。そして中1日で準々決勝と日程的に恵まれており、今後の戦いぶりからも目が離せない。

文◎岡本朋祐(週刊ベースボール編集部アマチュア野球班)

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