週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

セ・リーグ6球団 チームを活性化させる若手とは?

 

ペナントレースも残り40試合を切り、いよいよ優勝争い、クライマックスシリーズ進出争いも最終コーナーに差し掛かろうとしている。プレッシャーのかかる試合も続くが、そんなときこそチームを活性化させる若手の存在は貴重だ。ここではセ・リーグ6球団の終盤戦で光る若手をピックアップする(記録は8月12日現在)。

読売ジャイアンツ



 試行錯誤の末の3カ月ぶりの勝利が、さらなる飛躍のキッカケになるだろうか。5月6日のDeNA戦(横浜)以来、約3カ月にわたって白星から遠ざかっていたドラ1ルーキーの高橋優貴が、8月11日のヤクルト戦(東京ドーム)で先発のマウンドに立ち、6回4安打1失点、9三振を奪う好投で4勝目を挙げた。7月31日の広島戦(東京ドーム)で自己最短の3回途中3失点でKOされ即二軍降格も、右ヒジ周囲の筋肉の張りで同時期に二軍でリハビリをしていた山口俊に強いボールを投げるための助言を受け、タイミングを合わせられやすい二段モーションも封印。変化を求め、ラストチャンスの覚悟を決めた11日のマウンドだった。この日は最速149キロを計測するなど力強さも取り戻し、ローテーション復帰も決定。苦しい台所事情を救う存在となれるか。

広島カープ


広島・小園海斗


 広島では、何といっても黄金ルーキーの小園海斗だ。球宴休み明けから一軍に復帰するとスタメンで使われるようになり、7月26日のヤクルト戦(神宮)でプロ1号の3ラン、28日の同戦で2号2ラン。8月6日のDeNA戦(マツダ広島)でも2安打2打点といった活躍だ。とにかく変に当てにいかずにしっかりとスイングする姿勢がルーキーらしく、チームに勢いを与えている。しかもただ振っているだけではなく、ゲームの中での対応能力もある。最初の一軍登録時に不安が見られた守備も、まだ守備固めで田中広輔が送られるケースはあるものの、日に日に慣れてきて、生き生きとした動きに。カープにとって逆転Vへの勢いをもたらす男であることは間違いないだろう。

横浜DeNAベイスターズ



 前評判どおりと言えばそのとおりなのだが、初スタメンから大きな仕事をやってのけた。途中出場でプロ初安打を含む2安打した伊藤裕季也は、8月10日の中日戦(横浜)で「五番・二塁」で初スタメンに抜擢。6回に初本塁打を左翼スタンドに運ぶと、2点を追う8回には、2打席連続となる起死回生の同点2ランを再び左翼にたたき込んだ。豪快なフルスイング、全身から醸し出す雰囲気はスター性十分。左手骨折により戦線を離脱した宮崎敏郎の穴を完全に埋めるのは難しいが、ドラフト2位・伊藤の懸命のプレーがチームの危機を救い、勢いを与えている。

中日ドラゴンズ


中日・藤嶋健人


 21歳の藤嶋健人が血行障害から復活し、チームに刺激を与えている。プロ2年目の昨季は19試合に登板し、3勝を挙げた。今季は先発の柱の1本として、さらなる活躍を期待されていたが、春季キャンプ中に血行障害が判明。戦列を離れ、手術と慎重なリハビリを重ねた。その甲斐あって、6月にようやく実戦復帰。7月5日に一軍登録されてから登板13試合で無失点と、疲れを見せ始めている中継ぎ陣の中で獅子奮迅の活躍だ。もちろん、はつらつプレーは健在。投球でも、持ち前の明るさでも、チームを大いに盛り上げている。復活した若武者が、CS争いのカギになることは間違いない。

阪神タイガース



 守屋功輝とともにチーム最多の45試合に登板している中継ぎの島本浩也。チームの劣勢時にマウンドへ上がる機会が多く、1点もやれない状況で最高のパフォーマンスでチームに勢いをつけている。176センチ73キロと決して大きくなく細い体からキレ味抜群の140キロ中盤の真っすぐと鋭く曲がるスライダーなどを駆使し、三振狙って奪える。7月26日の巨人戦(東京ドーム)では同点とされた6回一死満塁から登板し無失点でしのぎ、チームに勝利をもたらし、自身も3勝目を挙げた。8月1日の中日戦(甲子園)でも同点の6回に登板し無失点に抑え、その裏に打線が勝ち越すなど、打線にもリズムを与える投球をしている。現在、リーグ4位だが3位の広島に追いつき、追い超すために島本は腕を振り続ける。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・中山翔太


 期待のスラッガーは村上宗隆だけではない。6月に一軍初昇格を果たすと、代打で迎えたプロ初打席で初安打、初打点をマークしたドラフト2位ルーキーの中山翔太。ここまで一軍で27試合に出場して23安打、4本塁打、10打点、打率.291と健闘を見せている。「きんに君」という愛称のとおり、鋼のような肉体を持つ長距離砲で、全力疾走、全力プレーがモットー。7月28日に登録抹消となったが、二軍で調整を続け、再昇格を狙っている。外野陣には青木宣親バレンティン雄平がおり、坂口智隆も復帰間近と競争率は高いが、負けるつもりはない。履正社高の先輩・山田哲人や村上らとクリーンアップを形成して、その打棒を発揮できれば、最下位に沈むチームの起爆剤となりそうだ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング