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甲子園のヒーロー

NPB100人が選んだ甲子園のヒーロー/12位タイは“怪物”江川卓からメジャーで活躍する左腕まで4投手

 

ファン一人ひとりの胸に宿る甲子園のヒーロー。第100回の大きな節目となった夏の甲子園を前にNPB100人に「甲子園のヒーローは?」とアンケートを実施して「B.B.MOOK1414 ファンが選ぶ名勝負ランキングベスト100」に掲載したのをここに公開。迎えた第101回、新たなるヒーローは誕生しただろうか?

伝説の快速球と伝説のアイドル


 獲得したのは1票だけとはいえ、錚々たる顔ぶれが並んだ16位タイ。12位に並んだ4選手も、獲得したのは2票だが、古くは快速球で伝説となった男に絶大な人気で伝説となった男、近年では現役で活躍を続ける左腕に右腕と、興味深い顔ぶれとなった。いずれも投手だ。

【NPB100人が選んだ甲子園のヒーロー】
・12位タイ(2票)
江川卓(作新学院・投手。のち巨人ほか)
荒木大輔(早実・投手。のちヤクルトほか)
菊池雄星(花巻東・投手。マリナーズ)
藤浪晋太郎(大阪桐蔭・投手。阪神
(出場校とポジション。プロ球歴)

作新学院・江川卓


 最古参は作新学院の江川。プロでは“未完”という印象もあり、甲子園の出場は1973年の春夏で、優勝経験もない。ラストシーンは73年の夏、雨の2回戦で、延長12回の末、サヨナラ押し出しで姿を消した。ただ、その快速球が最も速かったと言われるのは、高校時代だ。

 そんな江川に票を投じたのは、やはり首脳陣の2人。楽天森山良二コーチと、アンケート当時はDeNA、現在は楽天で後進を育成する光山英和コーチだ。森山コーチは「あれだけの真っすぐを投げる人はいなかったでしょう。当時は小学生くらい。高校のときには江川さんのフォームをマネしていましたね」、光山コーチは「野球を始めた小学生のころ、テレビで見ていました。雨の中での銚子商との一戦は、よく覚えています。とにかく球が速かった。江川さんが天竜川で石を投げて肩を鍛えたという伝説を知って、自分も海で石を投げた思い出があります」と振り返っている。

早実・荒木大輔


 1年生だった80年の夏に準優勝、アイドル的な人気で大フィーバーを巻き起こした荒木も12位に並んだ。荒木に投票したのも首脳陣で、同学年でもある西武馬場敏史コーチは「一世を風靡した大スター。一度は打席に立って対戦してみたかった」という。のちに荒木からプロ初安打を放った広島高信二コーチは荒木の3学年下。「人気もすごかった。プロで初めて対戦したときは、あの荒木さんだ、と。センター前にヒットを打ったけど、すごくうれしかった」と語る。

花巻東・菊池雄星


 江川らに並んだのが現役で、左腕の菊池と右腕の藤浪だ。菊池と同郷でもあるヤクルトの風張蓮は「あこがれの人です」とキッパリ。2009年の春夏、甲子園で対戦したソフトバンク今宮健太は「コイツは化け物だ、と。それまでは自分が一番うまいと思っていましたが、完全に鼻をへし折られた。プロになるきっかけを作ってもらったと思っています」と賛辞を送る。

大阪桐蔭・藤浪晋太郎


 この4人のうち唯一、優勝投手となっているのが藤浪。票を入れたのは同学年の2人で、オリックス黒木優太中日笠原祥太郎だ。藤浪の活躍をテレビで見ていたという黒木は「絶対的エースで存在感もあったし、角度もあって球威もすごい。本当に同い年か? と思いました」、一方の笠原も「見ていてレベルが違いました。次元が違う感じ。僕も、あれくらいの体格があればなぁ、と今でも思う」と振り返っている。

写真=BBM
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