週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

意外と少ない? 二軍で大活躍した選手は翌年飛躍できるのか

 

過去の交流戦最下位チームと最終順位は?


 二軍でタイトルを獲得するほど活躍した選手は、期待の新戦力として翌年一軍に昇格することが多い。その場合一軍でも実力を発揮して活躍できるのだろうか。過去5シーズンのイースタン、ウエスタンそれぞれの主要タイトルを獲得した選手で、翌年一軍に上がり大きな活躍を見せた選手が何人いるのかを調べてみた。
※( )内は当時の所属チーム


■2018年
●イースタン・リーグ
打率:松原聖弥巨人
本塁打:和田恋(巨人)
打点:和田恋(巨人)
出塁率:村上宗隆(ヤクルト)
安打:松原聖弥(巨人)
盗塁:鈴木将平西武

防御率:高田萌生(巨人)
勝利数:高田萌生(巨人)
勝率:高田萌生(巨人)
奪三振:高田萌生(巨人)、高橋奎二(ヤクルト)
セーブ:小野郁楽天

●ウエスタン・リーグ
打率:アレハンドロ・メヒア広島
本塁打:アレハンドロ・メヒア(広島)
打点:アレハンドロ・メヒア(広島)
出塁率:アレハンドロ・メヒア(広島)
安打:板山祐太郎阪神)、高橋大樹(広島)
盗塁:周東佑京ソフトバンク

防御率:福永春吾(阪神)
勝利数:大竹耕太郎(ソフトバンク)、青柳晃洋(阪神)
勝率:福永春吾(阪神)
奪三振:高橋昂也(広島)
セーブ:伊藤和雄(阪神)

 2018年にタイトルを獲得した選手のうち、今シーズン活躍しているのはなんといってもヤクルトの村上だろう。2年目ながら四番を任されることもあり、最多打点のタイトルも狙える位置につけている。毎年のように二軍で活躍している広島のメヒアは、一軍と二軍を行ったり来たりしながらコンスタントに結果を残している。

 周東は一軍に故障者が続出したことから昇格してチャンスをつかんだが、現在は苦しい戦いが続いている。和田は楽天に移籍してこれから起用が増えてくるだろう。投手陣はまだこれからという選手が目立ち、今シーズン目立った活躍を残している選手はいない。

巨人・今村信貴


■2017年
●イースタン・リーグ
打率:高濱祐仁日本ハム
本塁打:内田靖人(楽天)、森山恵佑(日本ハム)
打点:内田靖人(楽天)
出塁率:高濱祐仁(日本ハム)
安打:廣岡大志(ヤクルト)
盗塁:島井寛仁(楽天)

防御率:吉田侑樹(日本ハム)
勝利数:今村信貴(巨人)
勝率:今村信貴(巨人)
奪三振:今村信貴(巨人)
セーブ:戸根千明(巨人)

●ウエスタン・リーグ
打率:アレハンドロ・メヒア(広島)
本塁打:陽川尚将(阪神)、サビエル・バティスタ(広島)
打点:陽川尚将(阪神)
出塁率:庄司隼人(広島)
安打:アレハンドロ・メヒア(広島)
盗塁:釜元豪(ソフトバンク)

防御率:阿知羅拓馬中日
勝利数:山田大樹(ソフトバンク)
勝率:阿知羅拓馬(中日)
奪三振:山田大樹(ソフトバンク)
セーブ:ロマン・メンデス(阪神)

 2017年のタイトル獲得者の中では、翌年目立った活躍をした選手は特にいない。あえていえば、広島のメヒアとバティスタといったところだろう。ソフトバンクの釜元豪は、現2019年シーズンは一軍に昇格して故障者の穴を埋める存在だが、2018年シーズンは一軍では6試合しか出場できなかったのだ。

 投手陣では、巨人の今村が翌シーズンに飛躍した選手。2018年は二軍スタートながら途中で昇格し、自己最多の6勝を挙げる活躍を見せた。この年のイースタンでセーブ王となった戸根は、現2019年シーズンは一軍で好投しているが、2018年は残念ながら故障で登板がなかった。

西武・山川穂高


■2016年
●イースタン・リーグ
打率:中川大志(楽天)
本塁打:山川穂高(西武)
打点:岡本和真(巨人)
出塁率:中川大志(楽天)
安打:白根尚貴DeNA
盗塁:山崎晃大朗(ヤクルト)

防御率:江柄子裕樹(巨人)
勝利数:イ・デウンロッテ
勝率:江柄子裕樹(巨人)
奪三振:中村勝(日本ハム)
セーブ:金森敬之(ロッテ)

●ウエスタン・リーグ
打率:塚田正義(ソフトバンク)
本塁打:バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)、陽川尚将(阪神)
打点:陽川尚将(阪神)
出塁率:塚田正義(ソフトバンク)
安打:塚田正義(ソフトバンク)
盗塁:釜元豪(ソフトバンク)

防御率:山田大樹(ソフトバンク)
勝利数:笠原大芽(ソフトバンク)、山田大樹(ソフトバンク)、秋山拓巳(阪神)
勝率:山田大樹(ソフトバンク)
奪三振:笠原大芽(ソフトバンク)
セーブ:祖父江大輔(中日)、嘉弥真新也(ソフトバンク)

 2016年に二軍で活躍した選手の中で、翌年大きな飛躍を見せたのが西武の山川だ。2017年は夏から調子を大きく上げ、8、9月連続で月間MVPを獲得。9月からは四番に定着し、現在も西武の不動の四番として活躍している。また、この年のイースタンで打点王だった岡本の飛躍の年となったのは2018年。翌2017年は目立った活躍はできなかった。

 投手では、最多勝利の阪神の秋山が、翌シーズンに活躍した選手。開幕から1年を通して先発ローテーションを守り、終わってみれば25試合に登板して12勝6敗とチームの勝ち頭だった。また、ソフトバンクの嘉弥真も翌年一軍に昇格して58試合に登板。頼れる中継ぎとして活躍した。

ソフトバンク・千賀滉大


■2015年
●イースタン・リーグ
打率:青松慶侑(ロッテ)
本塁打:青松慶侑(ロッテ)
打点:細谷圭(ロッテ)
出塁率:青松慶侑(ロッテ)
安打:加藤翔平(ロッテ)
盗塁:外崎修汰(西武)

防御率:木村優太(ロッテ)
勝利数:誠(西武)
勝率:木村優太(ロッテ)
奪三振:高梨裕稔(日本ハム)
セーブ:土田瑞起(巨人)

●ウエスタン・リーグ
打率:バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)
本塁打:バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)
打点:バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)
出塁率:バーバロ・カニザレス(ソフトバンク)
安打:上林誠知(ソフトバンク)
盗塁:上林誠知(ソフトバンク)

防御率:岩嵜翔(ソフトバンク)
勝利数:岩嵜翔(ソフトバンク)
勝率:岩嵜翔(ソフトバンク)
奪三振:千賀滉大(ソフトバンク)
セーブ:マイク・ザガースキー(広島)、飯田哲矢(広島)、石崎剛(阪神)

 2015年では、ウエスタンで最多奪三振だったソフトバンクの千賀が翌年目覚ましい活躍を見せた。2015年は起用法の問題から二軍生活が中心だったが、翌2016年は一軍で12勝を挙げ、育成ドラフト出身投手によるシーズン最多勝利記録を達成した。

 また、イースタンの奪三振王だった高梨は、翌シーズンは中継ぎとして開幕一軍入り。シーズン中に先発に転向すると、最終的に10勝2敗と大活躍し、パ・リーグの新人王に選ばれている。

広島・安部友裕


■2014年
●イースタン・リーグ
打率:高濱卓也(ロッテ)
本塁打:山川穂高(西武)
打点:青松敬鎔(ロッテ)
出塁率:高濱卓也(ロッテ)
安打:青松敬鎔(ロッテ)
盗塁:石川貢(西武)

防御率:阿南徹(巨人)
勝利数:小石博孝(西武)
勝率:大嶺祐太(ロッテ)
奪三振:小石博孝(西武)
セーブ:香月良仁(ロッテ)

●ウエスタン・リーグ
打率:牧原大成(ソフトバンク)
本塁打:猪本健太郎(ソフトバンク)
打点:塚田正義(ソフトバンク)
出塁率:塚田正義(ソフトバンク)
安打:牧原大成(ソフトバンク)
盗塁:安部友裕(広島)

防御率:二神一人(阪神)
勝利数:飯田優也(ソフトバンク)、東浜巨(ソフトバンク)、秋山拓巳(阪神)
勝率:山田大樹(ソフトバンク)
奪三振:秋山拓巳(阪神)
セーブ:ザック・フィリップス(広島)

 2014年のタイトル獲得者の中で、翌シーズンに飛躍した選手は残念ながらこれといっていない。広島の安部やソフトバンクの東浜、阪神の秋山など後に活躍する選手はいるものの、翌シーズンに大きな飛躍を遂げてはいない。

 2015〜2018年までの5年間に、二軍で何らかのタイトルを獲得した選手の中で、「これはすごい!」と思えるような活躍を見せたのは、2018年の村上宗隆、2016年の山川穂高と秋山拓巳、2015年の千賀滉大と高梨裕稔ぐらいではないだろうか。5年間で5人だから、二軍で目立った活躍を見せたとしても、翌年すぐに一軍で起用され結果を出すとなると難しいようだ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング