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セ・リーグ6球団 2015年入団選手の出世頭は?

 

いまから5年前、2014年秋のドラフトで指名された選手で頭角を現している選手は誰か? ここではセ・リーグ6球団を見ていこう(記録は8月18日現在)。

読売ジャイアンツ



【2014年秋ドラフト】
1位・岡本和真(智弁学園高)
2位・戸根千明(日大)
3位・高木勇人(三菱重工名古屋)
4位・田中大輝(国学院大)

 支配下4人、育成4人の入団で、育成から昇格の田中貴也を含め、2019年も球団に在籍しているのは3人のみ。2位の戸根千明もまずまずの一軍登板実績を持つが、出世頭となると1位の岡本和真だろう。3年目を終えた時点では一軍13安打、1本塁打にとどまっていたが、4年目の昨季に見事覚醒。高橋由伸前監督の我慢の起用に応えて史上最年少で3割、30本塁打、100打点をクリアし、交流戦途中から四番(巨人軍第89代四番打者)に座り、チームのAクラス復帰に貢献した。原辰徳監督に代わった今季は昨季ほど打率が伸びてこないものの、ほぼ四番に座り、及第点の働き。前を打つ坂本勇人丸佳浩の好調に助けられている部分もあるが、V奪回へ向けた終盤戦と、ポストシーズンの爆発に期待したい。

広島カープ



【2014年】
1位・野間峻祥(中部学院大)
2位・薮田和樹(亜大)
3位・塹江敦哉(高松北高)
4位・藤井皓哉(おかやま山陽高)
5位・桑原樹(常葉学園菊川高)
6位・飯田哲矢(JR東日本)
7位・多田大輔(鳴門渦潮高)

 広島では2014年秋のドラフトを経て入団した選手は7人いるが、うち多田大輔はすでに引退、現役は6人だ。出世頭は、実績ではドラフト2位の薮田和樹か。17年にチームの勝ち頭となり15勝(3敗)、勝率.833で勝率第一位のタイトルにも輝いている。ただ、昨年から不調に陥っており、今季もほとんどファーム暮らしが続いている。現況という意味での出世頭なら、一軍に定着している1位の野間峻祥だろう。18年はレギュラーとなり、116安打を放って打率.286。しかし今季は途中から打撃の調子を落とし、定位置を手放した形に。高卒入団組では塹江敦哉が現在一軍。藤井皓哉、桑原樹もそろそろ勝負どころだ。ほかに社会人から入団した飯田哲矢がいる。

横浜DeNAベイスターズ



【2014年秋ドラフト】
1位・山崎康晃(亜大)
2位・石田健大(法大)
3位・倉本寿彦(日本新薬)
4位・福地元春(三菱パワーシステムズ横浜)
5位・山下幸輝(国学院大)
6位・百瀬大騎(松本第一高)
7位・飯塚悟史(日本文理高)

 選手会長を務め、投手陣のまとめ役でもある石田健大をはじめ、内野手の倉本寿彦と山下幸輝、7位指名ながら先発・中継ぎで一軍登板する飯塚悟史らこの年のドラフトは豊作だったと言えるだろう。出世頭は1位指名の山崎康晃だ。ルーキーイヤーからクローザーとして9回のマウンドを守り続け、入団5年目の今季は通算150セーブを突破。ここまで25セーブでランキングトップ。2年連続セーブ王のタイトルを狙う。

阪神タイガース



【2014年秋ドラフト】
1位・横山雄哉(新日鐵住金鹿島)
2位・石崎剛(新日鐵住金鹿島)
3位・江越大賀(駒大)
4位・守屋功輝(Honda鈴鹿)
5位・植田海(近江高)

 昨年、二軍監督を務めていた矢野耀大監督がその才能を認め、今季一軍のリリーバーとして起用しているのが守屋功輝だ。8月18日現在でチーム1位タイの48試合登板を果たしている。負けているときや、ピンチのときなど厳しい場面でのマウンドに上がるが、「どういう場面でもポジティブに考える」と常に前向きに全身全霊で腕を振る。その姿に矢野監督も「投げっぷりがいい」と信頼。そのほかには走塁のスペシャリストともいえる植田海もドラフト5位。この年の1位、横山雄哉はケガもあり、現在は育成選手に。2位の石崎剛は今年7月にロッテへトレード移籍した。

中日ドラゴンズ



【2014年秋ドラフト】
1位・野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜)
2位・浜田智博(九産大)
3位・友永翔太(日本通運)
4位・石川駿(JX-ENEOS)
5位・加藤匠馬(青学大)
6位・井領雅貴(JX-ENEOS)
7位・遠藤一星(東京ガス)
8位・山本雅士(徳島インディゴソックス)
9位・金子丈(大商大)

 1位の野村亮介は現在、チームの打撃投手を務め、2位の浜田智博も育成契約と、この年のドラフトは“期待外れ”の評価。即戦力が求められた3位の友永翔太や4位の石川駿は今なお一軍に定着できない。6位の井領雅貴は今季、ようやく代打の切り札として一軍定着に迫ったが、8月上旬に脇腹を痛めて戦線離脱した。現在は7位の遠藤一星が「一番・レフト」で先発出場しているものの、成績は物足りない。自身初の開幕一軍で開幕先発マスクをかぶった5位の加藤匠馬にしても、ようやく出番をつかんだに過ぎない。今後、正捕手として成長することに期待したいが、果たして。

東京ヤクルトスワローズ



【2014年秋ドラフト】
1位・竹下真吾(ヤマハ)
2位・風張蓮(東京農大北海道オホーツク)
3位・山川晃司(福工大城東高)
4位・寺田哲也(香川オリーブガイナーズ)
5位・中元勇作(伯和ビクトリーズ)
6位・土肥寛昌(Honda鈴鹿)
7位・原泉(第一工大)

 1位の竹下真吾がすでに退団するなど、成果の乏しい年となった。そんな中で孤軍奮闘を見せているのが、2位の風張蓮だ。3年目までは一軍登板がほとんどなかったが、4年目の2018年にブレーク。2番手として登板した4月7日の巨人戦(神宮)でプロ初勝利をマークして勢いづくと、回またぎのできる中継ぎとして重宝され、53試合登板というタフネスぶりを発揮した。しかし今季は防御率7.11と、一軍で結果を残せていない。8月14日に再昇格しており、シーズン終盤に巻き返しを目指す。

写真=BBM
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