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パ・リーグ6球団 最終盤のカギを握る一番打者事情は?

 

打線に勢いをつける役割を存在である一番打者。文字どおり、リードオフマンが先頭に立って引っ張っていけるチームは強い。シーズンも再終盤に差し掛かりつつあるが、パ6球団の一番打者事情を見ていこう(記録は8月26日現在)。

千葉ロッテマリーンズ



 ポテンシャルを高く評価されながらケガに泣かされ続け、規定打席に到達したことのなかった荻野貴司が、ここまで離脱することなく走り続けている。今季は開幕こそ不振でスタメンを外れたが、すぐに定位置の「一番」の座を取り戻すと、一時は首位打者争いに絡む活躍。自身初の100安打、2ケタ10本塁打をはじめ、試合、安打、二塁打、三塁打、本塁打、打点、盗塁、得点とあらゆる部門でキャリアハイを更新しており、年間の規定打席到達も確定させている。7月は月間打率.242とやや調子を落としたが、8月に入って再び復調気配。止まらない打線の斬り込み役が、Aクラス入りを狙うチームのカギを握っている。

埼玉西武ライオンズ



 秋山翔吾が“定位置”で輝いている。浅村栄斗楽天へFA移籍した影響で、今季は三番スタートとなった秋山。しかし、三番では32試合で打率.262と結果が出ないと、5月中旬からは従来の一番に固定されるようになった。一番ではここまで81試合に出場して.327と高打率をマーク。先頭打者ホームランも5本放つなど、切り込み隊長として十二分の活躍を見せている。首位・ソフトバンクを3.5ゲーム差で追う2位・西武。逆転優勝へ向け、一番・秋山翔吾のバットがますます火を噴いていく。

北海道日本ハムファイターズ



 栗山英樹監督が絶大な信頼を寄せ、不動のリードオフマンに据えているのが西川遥輝だ。ここまでチーム最多の117試合に出場を果たし、打率こそ.281と持っている力からすれば物足りない数字だが、4割近い出塁率に加え、西武の森友哉中村剛也に続くリーグ3位の.384の高い得点圏打率をマークするなど存在感は別格。強打が売りの大田泰示との一、二番コンビはチームのストロングポイントであり、相手チームの脅威となっている。もちろん過去3度の盗塁王に輝いている足もこの男の大きな武器。天才的な打撃と爆発的なスピードで背番号7が逆襲へのキーマンとなる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 故障に苦しんでいた昨季までの姿はもうない。茂木栄五郎が不動の「一番・遊撃」として犬鷲打線の中で確かな存在感を示している。打率、得点はチームトップである上に、特筆すべきは長打率で、ブラッシュ、浅村栄斗に次ぐ.457の数字を残している。ここまで本塁打数は「13」で、自己最多まで「4」に迫っている。一番打者でありながら、持ち前のフルスイングで長打を量産するスタイルは、相手にとってやっかいだ。142安打は自己最多を軽くクリア。ここに来て打率3割を切ってしまったが、キャリアハイの数字がどこまで伸びるかにも注目が集まる。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・牧原大成


 昨季、後半戦に積極的な打撃で一番起用に応えた牧原大成が定位置をつかむかと思われたが、今季は開幕から状態が上がらず(一時、二軍調整も)。左投手の際に起用される川島慶三を除き、牧原、福田秀平明石健志らが状態や相手投手との相性などを考慮して入れ替わるケースが続いている。明石に比べ、牧原、福田は出塁すれば足を生かして相手バッテリーを揺さぶることができるため、どちらかを固定したいところだが、現在の打撃の調子を考えると8月の月間打率.339をマークしている牧原がベストか。柳田悠岐がクリーンアップに戻ってきたこともあり、得点力アップのためにも、一、二番のチャンスメークが重要になる。

オリックス・バファローズ



 プロ2年ながら主将を務める福田周平が“足”で打線を活気づける。ここまで盗塁数はリーグ3位タイの27。一時、不振で二軍落ちも、今季109試合出場のうち、87試合で一番としてスタメンに名を連ね、初回から果敢に盗塁を試みるなど、“超攻撃型”を掲げるチームに“攻めの姿勢”を植え付けている。打率.258ながら、最も大事にしている“出塁率”は.353を記録。三番・吉田正尚、四番・ロメロが8月に入って好調を維持しているだけに、中軸の前に走者を置くことがカギを握ることは本人も承知のうえ。果敢な主将が、逆転CS進出へ、残り試合も打線を活気づけていく。

写真=BBM
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