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全日本クラブ野球選手権

クラブチームで日本一を目指す元ヤクルト・比屋根渉の新たな挑戦/JABA公式サポ・田中優美の熱視線!

 

8月26日から4日間、メットライフドームで行われる第44回全日本クラブ野球選手権大会。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は田中優美さんです。

「野球で恩返しがしたい」


大和高田クラブ・比屋根渉選手(左。右は田中優美さん)


 2011年秋のドラフトで3位指名を受け、2012年から2018年まで東京ヤクルトスワローズで活躍した比屋根渉選手。今年から社会人野球の強豪クラブチーム“大和高田クラブ”に所属し、プレーしています。

 2018年にヤクルトから戦力外通告を受けた後、NPBに復帰することを望んでトライアウトを受けるもオファーは来ませんでした。「NPBに復帰できなければ地元の沖縄に帰ろう」と思っていたそうですが、その意思を変えたのは、奥さんからの「まだ野球やりたいんでしょ」という一言。

 その言葉に背中を押され、城西大時代に一緒にプレーした大谷学捕手兼任コーチに誘われていた大和高田クラブに入ることになりました。

 入団が決まったものの、加入前はクラブチームのことを甘く見ていた部分があり、「野球を楽しめればいいかな」と思っていたそう。しかし、入ってみると周りの意識の高さに驚いたと言います。「個々の能力もあるチームだし、みんなの都市対抗野球や日本選手権に行きたいという意識の高さが、自分を変えてくれました。自分も同じ気持ちにならないとチームとして成立しないので、今は本気で野球をやっています」と、今ではチームの練習が休みである火曜日と木曜日にもチームメートと一緒に個別練習に励んでいるようです。

 このように若い選手に対して、背中で教えてあげている比屋根選手のことを、佐々木恭介監督も「明るくてチームの中心的な存在。“元プロ野球選手だから”とかはなくて、ケースを想定したときの形を出してくれます」と信頼関係も築けています。

 大和高田クラブは前年の全日本クラブ野球選手権大会の覇者で、自チームのグラウンドを所有しているという、クラブチームとしては恵まれた環境です。それでも野球一本に専念しているプロ野球選手と、1日しっかりと仕事をしてから練習を行うクラブチームの選手とを比べたときの差は大きく、比屋根選手も「環境の変化に最初は戸惑ったし、体も精神的にもきつかったけど、チームメートがいるので、自分だけじゃないと思って、仕事も練習もやってこられました」と話しています。

 会社、チーム、そして支えてくれた家族のためにも野球で恩返しがしたいと意気込み、「2歳の息子にも全力で野球をやっている姿を見せて、いつか一緒に野球をしたいです」と終始優しいお父さんの笑顔で話してくださいました。

 8月26日に行われた1回戦、大和高田クラブは富士通アイソテックを6対3で下しました。新しいチームで都市対抗野球と日本選手権出場を目標に再び野球人生をスタートさせた比屋根選手と大和高田クラブにぜひ注目してください。

 そして9月1日より、私たち日本野球連盟公式サポーターがナビゲートするラジオ番「JABAガールチャンネル」がスタートします。

 社会人野球の取材秘話や選手、チームの生の声をお届けします。番組はJFNパークというアプリで視聴できますので、ぜひお聴きください!

公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A

PROFILE

左から豊島わかなさん、田中優美さん、若菜奈津美さん/写真=BBM


とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。

たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。

わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。
週刊ベースボール編集部

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