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異例の外野手転向!日本ハム・白村明弘の現在地

 

外野手として奮闘中の白村。第2の糸井嘉男になれるか


 2015年にはリリーバーとして50試合に登板するなど、本格派右腕として活躍してきた日本ハム白村明弘。そんな男に予想もしていなかった野手転向が告げられたのは開幕前の春季キャンプ中盤でのこと。栗山英樹監督、吉村浩GMから呼び出され、タイミングも含めてすべてが異例の驚きの転向劇となった。

 あれから約6カ月──。白村本人に話を聞く機会に恵まれた。投手時代より精悍になり、浅黒く日焼けした顔、また投手のときにはなかった無数のマメができていた。「僕はすべての面でみんなに遅れをとっているわけですから。何倍もバットを振るしかない」と決意に見満ちた表情で語る姿は、投手・白村への未練は一切なかった。

 まだ一軍昇格こそないが、ここまでイースタン・リーグで56試合に出場して打率こそ.215だが、3本のホームランも放つなど首脳陣、フロントが見込んだ秘めたる打撃センスは発揮し始めている。かつてチームでは糸井嘉男(現阪神)が同じように投手から外野手に転向したが、一軍に定着するまで約3年あまりの月日を要した。持って生まれた才能もあったかもしれないが、それこそ血のにじむような努力で現在の成功を手にした。

 糸井と同じ道を歩み始めた白村に現在の目標をたずねた。少しの沈黙のあとに、答えは「目標なんてないです。目標を立てている余裕もないというのが本音というか(笑)。もう、やるっきゃないので」

 やるっきゃない。

 27歳での異例の挑戦の先には、どんな未来が広がっているのだろうか──。その答えが分かるのはもう少し先になりそうだが、いつの日か一軍の舞台で「外野手・白村」としてふたたびスポットライトを浴びる日を心待ちにしたい。

写真=BBM
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