故障離脱した荻野の代役を担う岡
残り17試合、3位・
楽天とのゲーム差は1。逆転CS進出を射程圏にとらえている
ロッテだが、この土壇場になってアクシデントが生じた。不動の斬り込み役を担ってきた
荻野貴司の離脱だ。
プロ10年目の今季は初の規定打席を確定させるなど115試合に出場し、打率.308、10本塁打、44打点、27盗塁をマーク。まさに打線をけん引していたが、9月1日の
オリックス戦(ZOZOマリン)の試合前練習で腰痛を発症。一夜明けても症状は改善せず、翌2日に登録抹消となった。
「10日間で戻ってくれれば」という
井口資仁監督の願いどおり最短で復帰することができれば、スケジュールどおりなら残り10試合となる9月13日、敵地メットライフでの
西武4連戦から復帰できる。だが、その間にはヤフオクドームでの
ソフトバンク4連戦を含めた7試合がある。残り10試合のラスト勝負に持ち込むために、ここで楽天に離されるわけにはいかない。
荻野の代役は誰か。真っ先に「一番・中堅」に指名されたのが
岡大海だ。昨季途中、やはりケガで離脱した荻野の穴を埋めるべく
日本ハムから緊急補強された男が、ロッテ2年目の今季も同じ役回りを託されることになった。
「マリンの風も少しずつ分かってきて、やっと慣れてきました」という岡。7月以降は代走・守備固めを中心としたバックアップの役割が主となっていたが、「いろいろな場面を想定、シミュレーションしておいて、グラウンドに立てば思い切りいく」という姿勢で自らの役割を果たしてきた。ここまで11盗塁で失敗ゼロという数字は、その一つの証拠だ。
守る・走るに関しては荻野の穴をきっちりと埋めるはずだ。課題は打撃。日本ハム時代から高く評価されていた身体能力をどうバットに伝えていくかだが、今季は決して多くはないチャンスの中でキャリアハイの5本塁打とパンチ力は見せつけている。
28歳ではあるがいまだ未完の背番号25が、マリン打線の着火点となることができるか。し烈なAクラス争いから抜け出すための、一つのカギとなるはずだ。
文=杉浦多夢 写真=BBM