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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

穴がまったくない森友哉の打撃のすさまじさ

 

天才的なバッティングを披露する森


 昨季の王者がついに首位に立った。9月11日、メットライフドームで行われた首位攻防、ソフトバンク戦に4対1で勝利して“奪首”を果たした西武。勝利の立役者は森友哉だった。

 0対0で迎えた3回裏、二死満塁。打席に立った三番・森は高橋礼が投じた初球、真ん中低めの変化球をうまく拾った。打球は右翼線を襲い、走者一掃の3点適時二塁打。これが決勝点となった。

「“打てなくてもしようがない”と割り切って打席に入りました」と笑顔を浮かべた森。この試合終了時点で打率.339で首位打者を走っているが、21本塁打、96打点もマーク。重労働である捕手として出場しながら、この打撃成績を残しているのはすさまじい。

 とにかく穴がない。コース別打撃成績を見ると以下になる(データ=共同通信デジタル。9月10日現在)

●内角高め=打率.300(20打数6安打、0本塁打)
●内角真ん中=打率.319(47打数15安打、1本塁打)
●内角低め=打率.300(10打数3安打、1本塁打)

●真ん中高め=打率.366(41打数15安打、2本塁打)
●真ん中=打率.478(92打数44安打、8本塁打)
●真ん中低め=打率.486(35打数17安打、4本塁打)

●外角高め=打率.345(29打数10安打、3本塁打)
●外角真ん中=打率.364(66打数24安打、1本塁打)
●外角低め=打率.214(28打数6安打、0本塁打)

 外角低め以外は打率3割超え。まさにスキがない。左右、高低、前後の揺さぶり、そして緩急にもついてくる。投手は抑えるイメージがなかなか湧かないだろう。万が一、西武が優勝を逃してもMVPの最有力候補であることは間違いない。

写真=内田孝治
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