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巨人が5年ぶりの優勝を果たした最大の要因とは?

 

期待どおりの働きぶり


優勝請負人として、期待どおりの働きをした丸


 5年ぶりにリーグ優勝を果たした巨人。その最大の要因はほかでもない。丸佳浩の加入である。昨オフに国内FA権を行使し、広島から移籍してきた。2月の春季キャンプ中、原辰徳監督も「彼(丸)の(練習の)ペースに、ジャイアンツの選手たちも巻き込まれている雰囲気はあるよね」と加入効果を口にしていた。

 たしかに、まだ底冷えする2月の宮崎から異変は起きていた。例えば打撃練習。丸はティー打撃から全力でスイングする。ティー打撃を全力で振り続け、そこから打撃ケージに入ると、体力は消耗されている。そこでまた、フルスイング。吉村禎章野手総合コーチが「丸は振る体力がすごい」と指摘したように、簡単にはマネできない。

 巨人では数人で入れ替わりながら休憩時間も設けて行うのが基本だった居残り特打でも、一人、ぶっ続けでボールを打った。ほかにも「シュッ!」「シュッ!」と過度な力を抜くために、ミートの瞬間に合わせて口から息を吐く。すぐに、ほかの選手もマネをした。2年連続リーグMVPの看板を引っさげた新戦力は、シーズン前から好影響をもたらせた。

 シーズンに入っても、主に三番を担い、二番・坂本勇人とともに強力打線の軸となった。「打順は関係ないのです。監督が決めたところで、仕事をするのが役目ですからね」。好成績を残したのは言うまでもないが、138試合に出場し打率.294、27本塁打、89打点。2015年から5年連続で100三振以上を記録したが、一方で7年連続80四球以上を稼ぎ、出塁率も光った。

 ベンチでは「野球ノート」を熱心につけ、練習態度や言動とともに若手の手本にもなった。4割近い出塁率をキープし、長打率も5割前後を維持。試合を決めることも、アシスト役にまわることもできた。昨年までリーグ3連覇を果たした広島は、チーム打率、本塁打数ともに悪化。丸の移籍は、両チームの成績に如実に反映した。

 5年総額25億5000万円(推定)に、原監督が現役時代につけていた背番号8を用意し、三顧の礼で迎え入れた優勝請負人。期待どおりの働きぶりで、リーグVの原動力となった。

写真=BBM
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