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「慎之助ロス」を払拭する男。星稜高・山瀬慎之助への期待

 

星稜高・山瀬慎之助は、今季限りで引退する巨人阿部慎之助のプレースタイルに強いあこがれを持つ


 日本球界内では、早くも「慎之助ロス」が渦巻いている。

 今季限りで巨人・阿部慎之助が現役引退するが、このタイミングで10月17日のドラフトが控えるのも、何かの縁だ。

 今夏の甲子園準優勝捕手・星稜高の山瀬慎之助(3年)がより、クローズアップされる機会となったからだ。

 ちょうど阿部が中大からプロ入りしたシーズンの2001年5月4日、山瀬は生まれた。野球好きだった父の意向により「慎之助」と名付けられたという。

 強肩を買われて、宇ノ気ブルーサンダーに在籍した小学3年時から捕手一筋。「阿部慎之助」を意識し始めてからは「打てる捕手」として、常にあこがれの存在だったという。4年からは奥川恭伸(星稜高3年)とバッテリーを組み、宇ノ気中では全国大会優勝、そして、星稜高では2年夏から4季連続で甲子園の土を踏んだ。先のU-18W杯(韓国)でも、奥川との名コンビを世界舞台で見せつけた(カナダとの二次ラウンドで7回1失点、18奪三振)。

 星稜高を抜群のリーダーシップで引っ張った主将・山瀬には、阿部と共通する「人望」がある。プレーを見れば、すぐに分かる。相手を思いやる、広い視野があるのだ。打撃面も粘りがあり、チャンスでは頼りになる存在。プロでも10年以上、レギュラーを任せられるだけの基礎体力が備わっている。

 山瀬はすでに「プロ志望」を表明。平成を代表す名捕手・阿部が球界を去った後、今度は令和をけん引する山瀬に「慎之助ロス」を払しょくするだけの活躍を期待したい。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳
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