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パ・リーグ6球団 2019年ペナントレースのMVPは?

 

2019年のペナントレースは西武のリーグ連覇で幕を閉じたが、果たしてパ・リーグ6球団、各チームのMVPは誰か?

埼玉西武ライオンズ


西武・森友哉


 打率.329をマークし、捕手として4人目の首位打者に輝いた森友哉がチームMVPで異論はないだろう。「今季のヒットを振り返ると、いいところで打つことができたと思いますし、内容があったと思います」と自画自賛するが、確かに得点打率.411もリーグ1位と勝負強さが光った。さらに、捕手としても126試合でスタメンマスクをかぶり、投手陣をけん引。チーム防御率は2年連続リーグ最低の4.35と低迷したが、懸命にリードする姿勢で投手陣からの信頼を得た。まだ課題はあるが、球界No.1の捕手に近付いた1年と言っていいだろう。

福岡ソフトバンクホークス



 歴代最高の奪三振率11.33を誇り、227奪三振でタイトルを獲得したエース・千賀滉大の活躍もさることながら、今季もケガ人に苦しめられたチームを押し上げたのは若手選手の台頭だった。その筆頭とも言えるのが、12勝を挙げて規定投球回にも到達した高橋礼、球団の大卒投手最多となる65試合に登板した甲斐野央、開幕前に支配下を勝ち取ってチームトップの25盗塁をマークした周東佑京だろう。中でも甲斐野は1年目からフル回転。開幕から13試合連続無失点という新人投手の日本記録を樹立し、6月半ば、守護神・森唯斗が離脱した際は抑えも務めた。シーズン終盤は疲れからか、制球を乱して失点する場面も見られたが、「気持ちの切り替えはできています」。クライマックスシリーズに向けて準備を整えている。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 楽天が2年ぶりにCS進出を果たした陰には、救援投手の奮闘があった。先発防御率4.17に対し、救援は3.07。終盤に投手が持ちこたえて勝利を手にするシーンも目立った。中でもクローザー・松井裕樹の獅子奮迅と言える投球は見事だった。自己ワーストタイとなる8敗も、多くの重要局面を任された証しだ。そして自己最多を更新する68試合に登板して38セーブ。自身初となる最多セーブのタイトルを手にした。シーズン中には数字に興味を示さなかった左腕も、「投手陣のみんながつないでくれたおかげ。支えてくれた人たちに感謝したい」と喜びに浸った。

千葉ロッテマリーンズ



 内野全ポジションに外野までカバーするユーティリティーぶりを発揮しながら自己最高の成績を残したチームリーダー、鈴木大地もいるが、井口資仁監督が選手の調子を見極めながら日替わり打線を組む中で、不動の「一番・中堅」として打線をけん引した荻野貴司を推したい。これまでケガに泣かされ続けて規定打席に到達したことのなかった“千葉の韋駄天”が、終盤に腰を痛めてわずかな離脱があっただけでシーズンを完走。リーグ3位の打率.315、10本塁打、46打点、28盗塁をはじめ、あらゆる数字でキャリアハイを更新し、“ケガさえなければ球界屈指”と言われ続けてきたポテンシャルをプロ10年目にしてついに証明してみせた。

北海道日本ハムファイターズ



 5位に沈んだチームの中で際立った存在感を放ち、自身初の最多勝利投手賞のタイトルも獲得したのは有原航平。エースとして積み重ねた勝ち星は「15」。多くのケガ人が出る中でシーズンを通して先発ローテーションをただ1人守り切り、防御率もタイトルこそ逃したが、2.46と過去最高の数字を残した。完全復調のきっかけになったのが今季から再び投げ始めた威力満点のツーシーム。特に右打者に対して有効に使い、相手バッターたちを苦しめた。「今シーズンの成績に満足することなく、もっとチームの勝利に貢献したい」。来シーズンは上沢直之もケガから戻ってくるが、つかんだエースの座はもう渡さない。

オリックス・バファローズ



 いかに得点力を上げるか。開幕から低調な打線は、シーズンを通して試行錯誤を重ねたが、打線の組み換えは常に背番号34が中心だった。開幕直後は打率1割にも満たず、苦しいスタートも徐々に復調。ロメロマレーロメネセスの助っ人たちがそろって不振&故障をする中でマークが集中したが、中日からモヤがトレード加入し、ロメロが故障復帰した7月以降は94安打、16本塁打で打率.357をマークして打線をけん引した。チーム唯一の全試合出場を果たし、打率.322、29本塁打、168安打はキャリアハイの成績。最終戦まで首位打者争いを演じるなど、得点力不足に悩むチームの中で吉田正尚が孤軍奮闘した。

写真=BBM
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