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セ・リーグ6球団 2019年ペナントレースのMVPは?

 

2019年のペナントレースは5年ぶりのV奪回を遂げた巨人の優勝で幕を閉じたが、果たしてセ・リーグ6球団、各チームのMVPは誰か?

読売ジャイアンツ


巨人・坂本勇人


 5年ぶりのV奪回には最多勝の山口俊や、2年連続MVPの丸佳浩、37歳ながら一番を打った亀井善行らの働きも見逃せないがが、やはりリーグMVPの大本命でもある坂本勇人だろう。キャプテン就任5年目、原辰徳監督復帰やチーム内では世代交代が急激に進むなど、環境が大きく変わる中でチームの精神的支柱であり続けた。もちろん、打っては今季のG打線のカギを握る二番に座り、40発の破壊力を見せたばかりか、常に3割をキープするなどポイントゲッターとしてだけではなく、ときにはチャンスメークにも徹し、打線をけん引。5年ぶり37度目のリーグ制覇は、坂本勇の存在抜きには成し得なかった。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・エスコバー


 初の開幕投手を務め、シーズン13勝を挙げチームをけん引した今永昇太。本塁打と打点の打撃2部門でタイトルを獲得し、そのバットで勝利に導いたソト。そんな投打の主役2人を抑えて、チームMVPに推したいのが中継ぎ左腕のエスコバーだ。勝ちパターンに限らず、ビハインドの展開でもマウンドに上がりブルペンを支えた。登板数はリーグ最多の74試合(5勝4敗33ホールド、防御率2.51)。71試合登板の三嶋一輝とともに充実のシーズンを送った。6月にはNPBでは左腕最速となる160キロをマーク。剛腕リリーバーの存在がなければ、DeNAのリーグ2位は成し得なかっただろう。

阪神タイガース



 今年のドラフト外れの外れ1位入団が今や、盗塁王を獲得し、セ・リーグの新人最多安打記録も更新。一番打者としてクライマックスシリーズ出場を決めた阪神を足とバットでけん引しているといっても過言ではない。それが近本光司だ。オールスター第2戦(甲子園)でサイクルヒットを放つなど、華々しさも兼ね備えており、近本がヒットを放ち塁に出るだけで甲子園の雰囲気が一変。その後、盗塁を仕掛けチームに勢いをつけている。センターの守備も安定感抜群。補殺も外野でリーグトップの「10」と攻守でチームMVP級の活躍を見せている。

広島カープ



 28本塁打を放ち、87打点を挙げるととともに、打率.335で首位打者を獲得、出塁率もぶっちぎりのリーグトップの.453でシーズンを終えた鈴木誠也が文句なしのチームMVPだ。今季も開幕から8月半ばまでは四番として、また、バティスタのドーピング違反による登録抹消後は三番として、相手チームからの厳しいマークを一人で背負いながらも、十分な結果を残してきた。常にその状況において可能な最善の結果を求め、同じ打席の中でも足の上げ方を細かく調整するなど、打撃に対する探究心と引き出しの多さが最大の武器だ。右足首の状態が回復してきた今季は、チーム最多の25盗塁をマークするなど、塁上での積極的な姿勢も光った。

中日ドラゴンズ



 候補は多くいるが、二塁の定位置をつかんだ阿部寿樹をMVPに推す。昨季、主に二塁を守ったのは高橋周平だったが、今季からは本来の三塁手に専念。ぽっかり空いた二塁の定位置を、阿部はバットでつかんだ。真骨頂は、背番号「5」の先輩・和田一浩を彷彿させるバットコントロール。体勢を崩されてもヒットを生み出せる技術を証明した1年となった。30歳を迎えるプロ4年目に初めて規定打席に到達。「打てなかったら外される」という危機感は、打席での集中力につながった。チーム3位タイの59打点をたたき出し、得点圏打率.297とまずまずの勝負強さを見せている。さらにリーグ打率10傑入り。今季もっとも飛躍した男と言える。

東京ヤクルトスワローズ



 高卒2年目の19歳。誰がこれだけの進撃を予想しただろうか。ヤクルトの村上宗隆は今季、全143試合に出場して打率.231ながら、36本塁打、96打点と2部門でタイトル争いを演じてみせた。高卒2年目での36本塁打は、1953年の中西太(西鉄)と並ぶ最多記録。規格外の数字はこれだけではない。シーズン184三振は2004年の岩村明憲(ヤクルト)が持つ「173」を超え、日本人最多記録となった(プロ野球記録は93年にブライアントが喫した204三振)。あらゆる数字がクローズアップされた左の大砲は、新人王候補としても名前が挙がっている。

写真=BBM
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