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ロッテ・福浦和也のラストプレーを演出した守護神

 

福浦の最後の劇的なファインプレーを演出したのは益田(右)だった


 ロッテ福浦和也のラストプレーは、井口資仁監督も「最後は(野球の)神様がいた」と振り返る、劇的なものとなった。

 9月23日、試合後に引退セレモニーが用意されていたZOZOマリンでの日本ハム戦。「七番・DH」でスタメン出場した福浦はバットで快音を響かせることはできなかったものの、9回にDH解除で一塁守備に就くと、二死一塁から平沼翔太の放った鋭い打球に反応。ウイニングボールを自らもぎ取り、現役生活にピリオドを打った。

 2001年には首位打者に輝き、6年連続打率3割をマークした圧倒的なバットコントロールとともに、ゴールデン・グラブ賞3度受賞の柔らかなグラブさばきも背番号9の代名詞の一つ。マリンを埋めた大観衆の前で軽やかに舞い、最後の雄姿を見せつけた。

「体がとっさに反応した。さすがにあれをそらしていたらまずかったので、捕ることができてよかった」と笑顔を見せたが、そのラストシーンの立役者となったのが9回のマウンドに上がっていた守護神の益田直也だった。

「今日は絶対に最後に投げたいと思っていた。あんなファインプレーになるような打球はイメージしていなかったので、福浦さんにはよく捕ってもらえたな、と感謝しています」という益田。6対1の9回にマウンドへ上がると、捕手の田村龍弘とともにインコース主体の配球で福浦の守る一塁方向へ打球を打たせようと腐心していた。

 同じような場面が3年前にあった。サブローの引退試合だ。2016年9月25日、当時はQVCマリンだった本拠地でのオリックス戦。サブローはやはり9回にDH解除で左翼の守りに就くと、一死後には慣れ親しんだ右翼へ回った。だが、守備機会がないままゲームセット。このときマウンドにいたのも益田だった。

「あのときも最後はサブさんのライトに打たせようと思ってカットボールを投げたんですけど、セカンドゴロでうまくできなくて。今回は一塁方向に飛ばしてもらえるように頑張りました!」

 サブローのときは1人目の鈴木昂平に右邪飛を打たせたが、このとき右翼を守っていたのは角中勝也。続く西野真弘を二ゴロ、園部聡を空振り三振と鮮やかに打ち取って“しまって”いた。

 福浦のときも危うかった。先頭の清宮幸太郎を空振り三振、石井一成には中前に運ばれたが、宇佐見真吾も見逃し三振であっという間に二死。だが、石井に安打を打たれていたがゆえに福浦が「ウルっときた」というけん制を入れることができ、インコースを狙った平沼への2球目が甘く入ったがゆえに、福浦のラストプレーが生まれた。

 運も味方につけながら果たした3年前のリベンジ。エンターテイナー・益田が、鮮やかに福浦のラストダンスを演出した。

文=杉浦多夢 写真=BBM

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