週刊ベースボールONLINE

川口和久WEBコラム

怒る佐々岡新監督が見たい?/川口和久WEBコラム

 

初仕事のドラフトはどうなるか?


就任会見の佐々岡



 佐々岡真司広島の監督になった。
 おめでとう、でいいかな。大変だと思うが、頑張れよ。

 生え抜きの選手で、引退後は評論家時代もあったが、二軍のピッチングコーチ、一軍のピッチングコーチ、そして一軍監督と上がっていった。カープらしい、たたき上げ監督だし、いつになるかは別にし、松田オーナー、フロントの想定どおりの流れだったと思う。

 以前、話を聞いたとき、佐々岡は二軍のピッチングコーチからやってくれと言われて、すごく悩んだという。ただ、結果的には二軍で若い投手をしっかり育成し、その実績を評価され、一軍に上がった。自分で思うより向いていたということだろうね。
 
 佐々岡は1990年入団。現役では俺と5年一緒にやった。出しゃばらず、言葉数も少なく、静かな、ふんわりと柔らかい男だった。
 今もそうだが、人当たりがよく偉ぶらない。俺はあいつが人の悪口を言っているのは聞いたことがないし、怒ったところも見たことない。

 この局面での監督就任は、カープにとっても、佐々岡にとってもタイミングがいいと思う。投手陣をいかに立て直すかが急務。彼は先発もリリーフも経験しているし、何より技術を伝えることに長けている。適任じゃないかな。

 まずはドラフト会議で誰を指名するかが初仕事だね。
 いまの野球は分業制が確立し、先発、中継ぎ、セットアッパー、抑えの4つのカテゴリーにはっきり分かれている。
 昔の新人補強は先発タイプを獲って、それが合わなければリリーフに回したりすることも多かった。腕を少し下げさせたりしてね。今は最初から、この4部門にいかにあてはめるかを考えた新人獲得になってきている。

 1つの理由は、先発の重要性が薄れていることがある。今の継投重視の投手起用であれば、一部の投手を除けば、1週間に1回、100球程度で6回を3点以内に抑える役割になっている。ならば、1週間に3試合程度登板し、1イニングずつでも、きっちり最少失点で抑える投手のほうが重要だし、高い能力が求められる。結果的にリリーフが登板過多となっているから、何人いても足りないくらいだからね。

 俺はドラフト指名は「金の卵」「ひよこ」「ニワトリ」のどれを狙うかだと思っている。今年の投手であれば、金の卵は、大船渡高の佐々木朗希、ひよこが星稜高の奥川恭伸、明大の森下暢仁あたりかな。
 先発の即戦力、つまりニワトリは1年目から2ケタは勝てる投手だが、そんな選手はなかなかいない。ただ、リリーフは、また違う。社会人や大学生にもニワトリはいると思うよ。

 佐々岡がどういう投手を獲るのかで、彼が何を課題に感じ、これからどうやっていこうとしているかが分かるかもしれない。

 1つ心配なのは、佐々岡の「怒った顔」が想像できないこと。監督は優しさだけでは務まらない。非情さや、時には選手を一喝する厳しさも必要になる。
 佐々岡、ここぞの場面では、しっかり怒れよ。ただ、引っぱたいたら、ダメだぞ。

写真=BBM

関連情報

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング