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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

CSファイナル進出へ欠かせない楽天・島内の渋い働き

 

献身的なプレーで勝利に貢献する島内


 10月5日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦、ソフトバンク楽天の初戦(ヤフオクドーム)は両チーム合わせて6本の本塁打が飛び出す空中戦となった。その中で本塁打こそなかったものの、渋い活躍を見せていたのが楽天の一番・島内宏明だ。この日は2四球で、相手先発の千賀滉大に対しては1四球だったが、投げさせた球数は29球。特に3回の打席では11球粘った末に四球を選んだ。得点こそ挙げられなかったが、チームはこの回満塁のチャンスを作っている。2本塁打を放った浅村栄斗同様、厄介な打者であったことは間違いないだろう。

 試合前、ソフトバンクに対し「球が速い投手が多く、後ろを投げるピッチャーもいい。ヒットを打てなくても点を取れるやり方もやっていかないと」と語っていた。その言葉どおり、前述した3回の満塁はノーヒットで作ったものだった。さらに1点リードの9回には四球で出塁後、ワイルドピッチの間に二塁へ進み捕手の送球エラーで三塁へと進んだ。すると浅村のセカンドへの内野安打でホームイン。泥臭いプレーでチームの勝利に貢献した。

 今季の開幕直後は四番を務め、その後三番や五番のクリーンアップ、状況によって役割が変わる二番にも入った。自身も難しいと語った二番で8月は球団の月間最多安打記録となる38安打をマーク。月間打率.362とパ・リーグ記録を更新するなど月間9度の延長戦を戦ったチームの中で一際気を吐き、CS進出にも貢献している。さまざまな打順を経験したが、9月以降は一番に定着し、ポストシーズンでも切り込み隊長として、その存在は大きい。

 6日のCS第2戦でも初回に内野安打で出塁し先制のホームを踏むと、4回には四球を選び一時同点となるホームイン。点の取り合いとなったこの試合では5打席で1安打2四球と派手な活躍とはいかないが、島内の出塁が得点にからんでいた。1勝1敗で迎える第3戦はファイナルステージ進出へ負けられない一戦。勝ち抜くには背番号35の渋い働きが欠かせないだろう。

文=阿部ちはる 写真=BBM
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