週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

パ・リーグ6球団 今季予想以上に活躍した選手は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 昨季、夏場以降の活躍ぶりで実力があるのは分かっていた。しかし春季キャンプ時点では、グラシアルは外国人枠の関係で一軍入りが微妙なライン。それがサファテバンデンハークの出遅れ、中村晃の離脱で開幕一軍をつかむと、左ワキ腹痛で自身も約1カ月の離脱がありながら打線の中軸として欠かせない存在になった。特に交流戦では開幕から5カード連続本塁打を放ち、トップタイの7発。交流戦MVPの松田宣浩にも劣らぬ活躍ぶりだった。7月から8月にかけてキューバ代表として国際大会に出場したため、規定打席には届かなかったものの、打率.319、28本塁打、68打点。長打率.595はリーグトップだ。柳田悠岐らの穴を感じさせず、優勝争いができたのはグラシアルのおかげでもある。

埼玉西武ライオンズ



 入団してから昨季までの3年間、一軍で通算8試合のみの登板で0勝1敗と戦力になれなかった男が大きな飛躍を果たした。今季、16試合で先発し、6勝6敗。開幕先発ローテーションに入り、途中離脱したこともあったが、ひと回り大きくなったピッチングで優勝に貢献した。飛躍の要因の一つは精神面での成長。マイナス思考で、勝手に自分でプレッシャーをかけてしまうところがあったが、そこを改善した。重圧がかかる場面を「成長するチャンスだ」とプラスにとらえることで、マウンドで能力を存分に披露できるようになった。ポストシーズンでも当然、戦力の一人。11年ぶりの日本一へ腕を振るだけだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 ドラフト6位と下位指名ながら、横浜高元監督の孫であり、全国レベル選手が集う明大で磨いてきた野球センスは確かなものだった。1年目から一軍で確かな存在感を示した渡邊佳明。本職の内野だけでなく、時には外野も守るユーティリティーとしてチームに貢献。打率.225ながら得点圏打率.393。22安打で24打点と勝負強さが光っている。追い込まれたら球種を絞り、ファウルで粘ることもできる。相手投手としては実に嫌なタイプだろう。次なる目標は内野での定位置奪取となる。

千葉ロッテマリーンズ



 かつての絶対的な守護神も、今季は中継ぎ陣の中でも決してプライオリティーが高くはなかったことを考えれば、まさにフル回転の活躍だった。開幕から好投を続けてベンチの信頼を得ると、クローザー・益田直也の不調時には代役として抑えも務め、3年ぶりのセーブをマークした。そうかと思えば、オールスター前には夏場に先発陣がコマ不足に陥ることを見越した吉井理人投手コーチが先発再転向を打診。8月5日の楽天戦(楽天生命パーク)から6試合に先発して安定した投球を披露し、先発陣の救世主となった。どこを任されても役割をまっとうした背番号29が、投手陣を縁の下から支えていた。

北海道日本ハムファイターズ



 次世代のホープが攻守走で躍動した。プロ4年目の平沼翔太の存在はもはや欠かせないものとなった。自己最多の73試合に出場を果たし、本職の遊撃だけでなく三塁でのスタメン起用にも及第点以上の俊敏な守りで期待に応えた。打撃でも左打席から広角に打て、うれしいプロ初ホームランもマークした。走塁面でも常に先の塁を狙う積極果敢な足でもポテンシャルの高さを見せつけた。ファームで3年間の英才教育を経て、花開こうとしている22歳の若き才能。5位に沈んだチームの中で、平沼の台頭は逆襲を誓う2020年シーズンに向けて明るい材料となった。

オリックス・バファローズ



 一軍に定着してみせた。昨年のドラフト指名は、チームで最も下位の7位も、中川圭太がプロの舞台でその実力を発揮。開幕は二軍スタートも、ウエスタン22試合で24安打と結果を残して4月に一軍切符を手にすると、4月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の9回表に放ったプロ初安打が値千金の同点打に。以降もコンスタントに安打を重ねてスタメン起用が増え、交流戦では史上初となる新人選手として首位打者(.386)を獲得。一軍昇格以降、一度も降格することなく1年目を終えて111試合出場、105安打で打率.288と好成績をマークし、来季は堂々の“レギュラー候補”に挙がる。いまやチームに欠かせぬ存在となった。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング