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ドラフト予想史

京大の田中英祐が異色のフィーバー/平成ドラフト予想史【平成26年】

 

高校生は安樂、大学生は有原



 平成26年、2014年のドラフトは、“超目玉”といえる選手がいる半面、有力選手の総数が少なく“不作”とも言われ、週刊ベースボールの事前予想も盛り上がりに欠けている。

 最も注目を集めたのは、高校生では済美高の安樂智大、大学生では早大の有原航平で、ともに快速球で鳴らす右腕だった。その一方で、同じ右腕ながら、プロ野球選手としては異色の経歴で独特なフィーバーを巻き起こしたのが田中英祐。所属は京大だ。それまで京大からプロ野球へ進んだ選手は1人もおらず、もちろんドラフトで指名された選手もいない。初の京大出身プロ野球選手が誕生するかどうかにも興味が集まった。週刊ベースボールでも有原、安樂に続いて、カラー3ページにわたって田中を特集している。

 ドラフトの事前予想は、有原と安樂、そして亜大の山崎康晃ら3投手に1位の指名が競合すると予想。単独1位で予想していたのが新日鉄住金鹿島の横山雄哉、盛岡大付高の松本裕樹ら2人で、やはり投手だ。

 野手が登場するのは外れ1位からで、前橋育英高の高橋光成、明大の山崎福也、ヤマハの竹下真吾ら3投手に並び、捕手で九州国際大付高の清水優心、内野手では早大の中村奨吾、智弁学園高の岡本和真ら2人をリストアップしている。

 また、予想は外れ外れ1位、外れ外れ外れ1位まで展開され、田中の名前が挙がっていたのは外れ外れ外れ1位だった。

【2014年・12球団ドラフト1位】
ヤクルト   安樂智大→竹下真吾
楽天     安樂智大
DeNA     有原航平→山崎康晃
西武     高橋光成
中日     野村亮介
ロッテ    中村奨吾
広島     有原航平→野間峻祥
日本ハム   有原航平
阪神     有原航平→山崎康晃→横山雄哉
オリックス  山崎福也
巨人     岡本和真
ソフトバンク 松本裕樹
(→は外れ1位)

ダークホースは野間


 予想どおり、有原には4球団、安樂には2球団が競合したが、第1回の入札では山崎の名前はなし。有原を外したDeNAと阪神が外れ1位で競合した。楽天はドラフトの前日に「有原か岡本」と明言していたが、前年のドラフトで5球団が競合した桐光学園高の松井裕樹を引き当てたのに続き、安樂の交渉権を獲得する強運を発揮。のちに「悪意はなかった」と釈明するに至った。

 一方、前年は抽選で3連敗を喫した日本ハムが有原の交渉権を獲得した。安樂を外したことで2010年のドラフトから6連敗となったDeNAが山崎の交渉権を獲得。これで阪神は12年に藤浪晋太郎を獲得したのを最後に4連敗となり、単独1位で予想されながらも山崎と同様に第1回の入札で名前がなかった横山を指名している。

 外れ1位で予想されていた高橋は西武が、山崎はオリックスが、中村はロッテが、岡本は巨人が、それぞれ単独指名に成功。ロッテは2位でも話題の田中を“一本釣り”。清水は有原を獲得した日本ハムが2位で指名した。

 一方、有原を外した広島が外れ1位で指名した野間峻祥は予想でリストアップされていなかったダークホース。18年は外野のレギュラーに定着し、広島のリーグ3連覇に貢献するなど、主力に成長していくことになる。

写真=BBM
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