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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

大き過ぎた背番号25の存在。DeNA次期キャプテン候補は──

 

シーズン中は思うようにいかない時期もあったが、阪神とのCSでは2発。さすがの存在感だった。今オフ、かねてからの夢であったメジャーに挑戦する筒香


 10月7日、阪神とのCSファーストステージ第3戦(横浜)に敗れ、DeNAの2019年シーズンは幕を閉じた。試合後、三原一晃球団代表は筒香嘉智のポスティングシステムを利用してのメジャー移籍容認を明らかにした。これにより今オフ、日本が誇るスラッガーのメジャー・リーグ挑戦が決まった。

 チームには大きな痛手だ。打率.272、29本塁打、79打点という今季の数字以上に、主将としての筒香の存在感は、計り知れない。グラウンド内外で強いキャプテンシーを発揮し、チームをまとめ上げた。しばしば「ベイスターズは筒香のチーム」と表現されてきたのは、バットでチームを勝利に導くというよりも、背中でチームをけん引する姿を表現した言葉であった。

 2015年、当時の中畑清監督により23歳の若さで主将に指名されて以来、チームを勝てる集団に引き上げるため、がむしゃらに前だけを見て走ってきた。しかし、今季の開幕前には、後ろに続くチームメートを振り返るように語っていた。

「1人で何かを変えようとしても限界がある。僕ひとりで突っ走らないことですね。周囲を見てみんなに合わせて、チームメートと一緒に進むこと。一つひとつでも確実にチーム力が上がっていけばいい」

 プロ入り10年目、主将として5年目となるシーズンを集大成として位置付け、自分がいなくなったときのことを踏まえての発言だったようにも感じられる。

「チームのために身を削ってでも全力を尽くします」と誓った2019年。チーム事情からプロ入り初の二番を打ち、慣れない三塁の守備にも就いた。終盤には死球を受け、欠場も余儀なくされた。結果として優勝には届かなかったものの、全身全霊を捧げたシーズンだったと言える。

 気が早い話かもしれないが、気になるのは次の主将だ。若い選手が中心のDeNAには、明確な言葉と行動力でチームの進むべき道を示すことができる存在は必要不可欠。初代・石川雄洋、2代目・筒香に続く主将は、誰がふさわしいのか──年齢的に梶谷隆幸宮崎敏郎あたりだろうか。

文=滝川和臣 写真=BBM
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