大船渡高の163キロ右腕・佐々木朗希には、12球団同時入札の1位で、過去最多の「9球団」が重複するともウワサされてきた。果たしてどうなるか……
いよいよ10月17日はドラフト会議である。17時から東京都内のホテルで開催されるが、最注目は「ドラフト1位」。ここではその見どころ3つを探っていきたい。
最大の注目は163キロ右腕。佐々木朗希(大船渡高)に、12球団同時による第1回1巡目入札(1位)で何球団が競合するか、だ。
過去最多は1989年の
野茂英雄(新日鉄堺→近鉄)、90年の
小池秀郎(亜大→
ロッテ拒否→松下電器)の8球団。高校生では95年の
福留孝介(PL学園→近鉄拒否→日本生命)、2017年の
清宮幸太郎(早実→
日本ハム)の7球団である。春先、あるベテランスカウトはこう見解を示した。
「ヨーイドン、です。12球団で一斉に佐々木君を1位で入札抽選し、11球団で第2回入札を再開すれば良いんです」
それだけの逸材である「令和の怪物」。ドラフト前日までに、日本ハム、ロッテ、
西武が佐々木の1位指名を公言している。なお、
奥川恭伸(星稜高)には
ヤクルト、
森下暢仁(明大)には
広島、
石川昂弥(東邦高)には
中日が1位指名を公言。一時は佐々木に対し過去最多の「9球団」と報じられた時期もあったが、最終的にいくつになるのか、興味は尽きない。
2つ目は「単独指名」である。つまり、第1回入札での予定されている佐々木、奥川、森下、石川の重複を回避するという選択肢である。先述のように、6球団が前日までに1位指名選手を公表しており、補強方針を明らかにしていない6球団の出方に注目が集まる。第1回の抽選で外し、第2回でも外すという最悪のケースも見据えないといけない。こうしたリスクを避ける意味でも「単独指名」を狙う選択肢もあるのだ。
昨年は
根尾昂(大阪桐蔭高→中日)と
小園海斗(報徳学園高→広島)に4球団、
藤原恭大(大阪桐蔭高→ロッテ)に3球団が集中。唯一、西武が独自路線で
松本航(日体大)を一本釣りに成功した。
そこで、今年の単独指名候補を挙げると2人。JFE西日本の151キロ左腕・
河野竜生、創志学園高の154キロ右腕・
西純矢だ。
河野は「完成度」において今ドラフトでも群を抜いており、明大・森下と並ぶ「即戦力」の評価。西は大学、社会人かで迷った末にプロ志望届を提出した。9月のU-18W(韓国)では8試合中4試合に登板し、野手としても4試合で打率.500、2本塁打、9打点とタフな部分を披露。あるスカウトは、一軍で活躍する大前提として「プロの練習についていけるだけの体力がある」と太鼓判を押す。
最後に3つめの見どころ。第2回入札、第3回入札以降のすなわち「外れ1位」「外れ外れ1位」での指名候補である。
外れ1位で人気が集まりそうなのが
宮川哲(東芝)と
立野和明(東海理化)の社会人右腕2人。また、捕手補強を考えている球団は
海野隆司(東海大)、将来の遊撃手を獲得したいチームは
森敬斗(桐蔭学園高)、素材型の高校生投手では
及川雅貴(横浜高)、
宮城大弥(興南高)と2人左腕らが浮上してくる。
ドラフト1位によって、その年の「明暗が分かれる」とも言われており、本日の17時からは目が離せない。
写真=BBM