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最高のモチベーションで迎える早慶戦。慶大は91年ぶりの「10戦全勝優勝」となるか?

 

慶大のユニフォームのストッキングには、2本の白ラインが入っている。新たに3本目を加えることが野球部、OB、大学関係者の悲願だ


 慶應義塾体育会野球部の前身は「三田ベースボール倶楽部」。1888年(明治21年)に組織され、東京六大学野球連盟に加盟する6校で最古の歴史を誇る。

 この秋、東京六大学リーグが発足した1925年秋以降、慶大として過去2度しか到達していない記録に挑んでいる。

「10勝」での優勝である。慶大は10月20日の明大2回戦で連勝。4カードを終えて開幕8連勝を遂げ、残すは早慶戦(11月2日から)のみとなった。

 慶大のストッキングには、2本の白線が入っているが、この数字こそ「10勝」での優勝回数を意味する。

 1928年秋は正真正銘の「10戦全勝優勝」だが、85年秋は1引き分けを挟んだ「全勝優勝」。当時、2本目のラインを入れるかどうか、現場では確認作業に追われたそうだが、最終的には新たな白線を加えることで落ち着いたという。

 なお、慶大野球部のホームページには28年秋は「10戦無敗優勝」、85年秋は「57年ぶり無敗優勝」と表記されている。

 34年前に偉業を遂げたのは前田祐吉監督(2016年1月死去)。2015年春から母校・慶大を率いる大久保秀昭監督の恩師である。就任時から「10戦全勝優勝」にこだわり、前田氏への恩返しになると日々、学生指導に情熱を燃やしてきた。

 慶大は2018年春以来の優勝へ王手をかけている。早大1回戦に勝てば、3季ぶり37度目のリーグ制覇。そして、2回戦は91年ぶりの「10戦全勝優勝」をかけた大一番となる。平成時代には届かなかった大記録。令和元年秋、最高のモチベーションで早慶戦を迎える。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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