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週べ60周年記念

巨人・堀内恒夫のフォーム改造/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

西宮球場に来てください!


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1969年4月14日号』。定価は60円。

 1966年、新人イヤーに旋風を起こした堀内恒夫だが、以後ぱっとしない、というか、そういう記事になっていた。
 67年12勝、68年17勝、確かに68年の防御率は3.31とパッとしなかったが、高卒3年目と思えば、そう悪くない。
 ビッグマウスもあって風当たりが強かったこともあるのだろう。 

 ただ、体は万全ではなく、疲れがたまると腰痛がひどくなったという。

 その堀内が制球難改善のため、ノーワインドアップにフォームを変更した。
 3月13日、南海とのオープン戦から試運転したが、いつもと違ってストライクがビシビシ決まる。長嶋茂雄も、
「堀内が投げてツースリーにならないんだから、ほんと楽だよ」
 と笑っていた。
 腰痛も、この投げ方ならさほど出ないらしい。

 ただ、南海の選手からは「合わせやすくなった」という声も多かった。野村克也は、
「球が見やすくなったことは言えるね。これはボデイスイングをしないからなのだろうが、そのためタイミングは合わせやすくなった。以前は実につかみにくいピッチングだったが、ノーワインドアップで素直になって、打者としてはグンと有利になった感覚がある」
 と話していた。果たしてフォーム改良は成功するのか。

 パでは67、68年と連覇を飾り、強くはなかったのだが、なかなか観客動員が伸びない阪急が『愛されるブレーブス』を打ち出し、ファンサービスに力を入れている。

 どんなものか分からないが、『球場をあなたの別荘に』というCMをつくり、特別席シートを木製からプラスチックに、右翼スタンド大増築。さらには競輪で、いつもデコボコと評判が悪かった芝生も全面張り替えをした。

 チケットも工夫し、3000円のスピードくじ付き内野回数観覧券を発売。11枚買えば1枚分がただになるというものだ。さらに購入者には飾りバットつきサインボール、くじの当選者にはグラウンドコートをプレゼント、阪急電車の定期券持参のファンには3割引きなどなど、至れり尽くせりだった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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