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2020年のドラフト候補、明大の“ポスト森下”は西武・今井の高校同級生

 

明大3年生の150キロ右腕・入江大生は、作新学院高3年夏の甲子園で3試合連続アーチを放ち、54年ぶりの全国制覇に貢献した


 すでに、2020年の戦いは始まっている。

 明大の150キロ右腕・入江大生(3年・作新学院高)は立大2回戦で、今季7試合目の登板で初先発(通算3試合目)した。5回に先制を許すも6回1失点。6回裏の攻撃で代打を告げられたが、一挙5得点の大逆転により、入江が勝利投手となった。今春の法大2回戦以来のリーグ戦通算2勝目は、先発としてはうれしい初白星だった。

「ホッとしています。負けが続いていたので(チームは1引き分けを挟んで6連敗)、勝ちにつなげられたので良かったです。初回にギアを上げて流れに乗っていけば、そんなに打たれないとは思っていた。要所で力を発揮できました」

 チームは目標の春秋連覇を逃した。だが、入江は与えられた役割を全力でこなし、結果にこだわらなければならない立場にあった。

 広島からドラフト1位指名を受けた森下暢仁(4年・大分商高)の後釜として、潜在能力の高い、次期エース候補だからである。今秋は2回戦の先発を伊勢大夢(4年・九州学院高、DeNA3位)が務めていたこともあり、入江は貴重なブルペン要員。1年春のリーグ戦で神宮デビューして以来、25試合目の登板のうち救援22試合。最終学年では大黒柱としての働きが期待され、立大2回戦での「先発1勝」は意義深いものであった。

 54年ぶりの全国制覇を遂げた作新学院高3年夏の甲子園では、2回戦から準々決勝まで3試合連続本塁打。右のスラッガーとしてエース・今井達也(現西武)を強力援護した。同春には背番号1を着け、最速148キロの主戦投手として存在感を示したが、今井が台頭してきた同夏は一塁手兼任投手(四番)。甲子園では2年夏の3回戦、3年夏の準決勝でマウンドを踏んでいる。U-18アジア選手権(台湾)では、侍ジャパン高校代表として、今井ともに優勝に貢献している。明大では「投手一本」を選び、今秋には自己最速150キロをマーク。ドラフトイヤーとなる最終学年に、ピークを合わせてきている。

「身近な今井、森下さん、伊勢さんがプロに行った。自分も来年が勝負。今井とのレベルの差は感じていますが、追いつき追い越していきたいです」

 今秋は15イニングで23奪三振。キレのあるストレートとツーシームでカウントを整え、早い段階で2ストライクに追い込む。そしてスライダーとフォークのウイニングショットにも磨きがかかっていることが、高い奪三振率につながっている。

 ポスト森下。すでにネット裏のNPBスカウトは「2020年のドラフト有力候補」としてメモを走らせており、注目右腕の一人となるのは間違いない。

文=岡本朋祐 写真=桜井ひとし
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