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パ・リーグ6球団のFA動向&補強最前線は?

 

埼玉西武ライオンズ



 今季、海外FA権を獲得した秋山翔吾は現在、侍ジャパンの一員として沖縄合宿に参加しているが、当地で行使を宣言することが濃厚だ。3年連続4度目の最多安打のタイトルを獲得するなど日本球界が誇るヒットメーカー。夢であるメジャー挑戦が最優先になるだろう。秋山流出に備え、10月25日にFA権行使を表指名したソフトバンク福田秀平の獲得に乗り出すことを渡辺久信GMは明言。ドラフトは投手中心で内外野を守れ攻守走三拍子そろった福田は是が非でも欲しい存在だがロッテヤクルトなど“ライバル”は多い。十亀剣もFA権を行使した上での残留か。また、中日を退団した松坂大輔に関しても調査を進めている。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・福田秀平


 日本一を達成したが、去就を巡り、ひと波乱ありそうだ。まずは今季国内FA権を取得した福田秀平が10月25日に行使を表明。球団は宣言残留を認めて4年総額5億円程度の条件を提示しているが、福田が重視するのはスタメンとしての出場機会。すでに西武、ロッテ、ヤクルトなど複数球団が手を挙げており、残留に向けての交渉はなかなか厳しいものになりそうだ。また、川島慶三も出場機会を求めてFA権行使を熟考。さらに、R.バンデンハーク、A.デスパイネはメジャー移籍(復帰)を示唆しているとも言われている。左キラーに主力外国人と、流出は阻止したい。一方、補強という面ではバレンティンの名前が上がる。今季も30本塁打超えの大砲は2020シーズンから日本人扱いとなるため外国人枠の問題はない。獲得に際してチームは、現有戦力のポジション変更も含めてさまざまな起用策を模索しているようだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 その動向が注目されていた美馬学が10月27日、「一生に一度の権利だと思うので、他球団の評価を聞いてみたい」とFA宣言した。楽天は宣言残留を容認した上で、複数年契約を打診。美馬自身は家庭環境を重視しており、移籍するなら在京球団が有力。宣言すればロッテが名乗りを挙げそうだ。もう一人の大物、銀次は28日、FA権を行使せずに残留を表明した。来季から3年契約。今季、チームトップの打率.304をマークしたキャプテンは変わらずチームをけん引する。今年3月に7年程度の長期契約を結び直していた則本昂大は宣言残留。また、外国人では33本塁打をマークしたブラッシュ、53試合に登板して防御率1.94のブセニッツとは残留を前提とした交渉が進められそうだ。ウィーラー宋家豪も残留の見通しで、その顔ぶれが大きく変わることはなさそうだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・鈴木大地


 チームリーダーの鈴木大地がFA権を行使することを表明。球団は宣言残留を含めて慰留を続け、本人も「移籍ありきではない」としているが、FA戦線の“目玉”として複数球団による争奪戦に発展する可能性が高く、流出となればダメージは計り知れない。ほかのFA権取得組では荻野貴司が残留濃厚となっているものの、抑えの益田直也の動向は不透明だ。一方、FA権を持つ楽天・美馬学やソフトバンク・福田秀平、阪神を退団した鳥谷敬の獲得に興味を示しており、例年以上に出入りの激しいオフになるのは必至。外国人選手を含め、収支をいかにプラスへ持っていけるか。フロントの手腕が試されることになりそうだ。

北海道日本ハムファイターズ



 FA権を獲得した選手で杉谷拳士は早々と残留を表明したが、チームの選手会長も務める中島卓也の動向が今オフ最大の注目を集めている。球団は慰留しているが「他球団の話を聞いてみたいという考えもある」とFA宣言する可能性も十分にある。今シーズンは特に石井一成平沼翔太の台頭でシーズン中盤からスタメンを外れる機会も多く、水面下で交渉中だが、現状では残留かFAかはまったく五分五分の状態と言っていいだろう。一方でFA戦線には静観する一方で、自由契約となったバーベイト、ハンコックに代わる新たな新助っ人獲得にフロントが動いている模様だ。

オリックス・バファローズ


オリックス・T-岡田


 静かなオフになりそうだ。FA権を保有している山崎勝己安達了一はともに複数年契約を結んでおり、今季、3年契約最終年だったT-岡田も残留を決意して新たなに3年契約を結んでため、FA流出はゼロ。“獲得”に対しても10月24日に福良淳一GMが「しません」とFA戦線への参加しないことを明言している。楽天に自由契約を申し入れた嶋基宏の獲得調査には動いている模様だが、“補強”は新助っ人が中心。主軸の大半が20代と、若返りを進める球団は今オフ、現有戦力の底上げに重きを置く。

写真=BBM
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