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2019社会人日本選手権

社会人日本選手権での公式記録員の仕事とは?/JABA公式サポ・豊島わかなの熱視線!

 

10月25日から11月4日まで京セラドームで開催される第45回社会人野球日本選手権。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は豊島わかなさんです。

長い1日になりそうなときは……


公式記録員を担当している島津製作所野球部のマネジャー・貞清敦史さん


 私たちが試合後に記事を執筆する際に助けになるのが、公式記録の存在です。今回は、大会の公式記録を記入する重要な役割を務めている、島津製作所野球部のマネジャー・貞清敦史さんにお話をうかがいました。

 貞清さんは、法政大学では1年半アメフト部で活動し、2年生から野球部でマネジャーに転身した面白い経歴を持つ方です。島津製作所では9年間、マネジャーとして野球部を支えてきました。

「実はマネジャー業は今年でおしまいなんです。日本選手権の公式記録員を8年間務めましたが、自分の仕事もある中、記録をつけるのは大変なときもあります。ただ、会社からの理解があるため、日本選手権の大会期間中はスケジュールの調整を快く受け入れてもらえるのでありがたいです」

 貞清さんの所属する島津製作所野球部は、強豪ぞろいの関西に所属するチームのため、なかなか大きな大会の出場に恵まれていません。そのため貞清さんは裏方ではあるものの公式記録員として大会運営にかかわることができてうれしいと話します。

「この大会が終わると、社会人野球の1年が終わったなと感じるのと同時に、来年こそは自チームが日本選手権に出られるように頑張らないといけないと刺激にもなっています」

 と気合に満ちた表情で気持ちを聞かせてくれました。

 昨年の日本選手権をご覧になった方は記憶に新しいかと思いますが、2018年11月6日の試合は第1試合からタイブレークや延長戦となり、第3試合が終了したのが24時11分でした。実はその日の公式記録を記入していたのが貞清さんでした。

「あの日は途中からだったものの、本当に大変でした。今年は準々決勝で4試合の日があるので、長い1日になりそうだな……と感じています」

 1日3試合、朝から晩まで記録を書いている日もあるそうで、そういう日は睡魔との闘いになるときもあるそうで、コーヒーやエナジードリンクを飲んで、それでもつらいときは立ってスコアを書くなど工夫しているそうです。

Hondaスコアを記入する貞清さん


 スコアを見ると試合のすべてが分かると話す貞清さん。そこがまた公式記録の面白いところなんだそうです。

 そして、長年携わっていると、試合の展開が読める瞬間があるそうです。

「ベンチの空気、選手の雰囲気をじっくり見ていると流れを感じるときはありますね。とにかく冷静にじっくりと見て、動きをしっかり把握してから記入をしています。公式記録は選手のデータとして一生残るので、特に注意しています」

 実際に仕事をしている姿を見せていただきましたが、全体に目配せをしながらペンを走らせる姿が印象的でした。

 陰ながら大会を支える貞清さん。話の最後には、野球の見方が変わるので少しでも興味がある人はどんどんスコアの書き方を学んでほしいと優しい顔をほころばせていました。

公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A

PROFILE

左から豊島わかなさん、田中優美さん、若菜奈津美さん/写真=BBM


とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。

たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。

わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。
週刊ベースボール編集部

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