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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

世界一へ、スーパー誠司くんへの期待

 

侍ジャパンに合流し、汗を流す巨人小林誠司


 2009年の第2回WBCで大会を制してから10年、野球の日本代表(トップカテゴリー)が世界一から遠ざかっていることをご存じだろうか。この間、13年の第3回WBC、15年の第1回プレミア12、17年の第4回WBCと3つの大きな国際大会にオールプロで参加しているが、いずれも準決勝で敗れている(15年のプレミア12は3位)。

 10年ぶりの世界一返り咲きへ。間もなく2度目のプレミア12が開幕する(日本が属するグループBのオープニングラウンドは11月5日に台湾で開幕。スーパーラウンド、決勝は日本で開催)。稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンは、10月21日に宮崎に集合し、1次強化合宿をスタート。27日には沖縄に移動し、日本シリーズに出場していたソフトバンク、巨人の選手たちが合流。現在は2次強化合宿の真っただ中で、10月31日(今夜)、そして11月1日はカナダ(グループC)と強化試合を行う。

 カナダ戦初戦の先発は巨人の山口俊に決まっており、今季セ・リーグ3冠(最多勝、最多奪三振、最高勝率)右腕は「意気に感じて、いいスタートを切れるように頑張ります」とベテランらしく、穏やかに意気込みを語る。

 そんな山口とバッテリーを組むのが、シーズン中も山口先発時に多くの試合でマスクをかぶった小林誠司だ。「一番分かっている2人ですからね。投手に負担がかからないようにというところで、明日はコバでいきます」と稲葉監督。山口は11月5日の1次ラウンド・ベネズエラ戦(台湾・桃園)での先発も有力視されており、巨人バッテリーには大きな期待がかけられている。

 そんな小林に注目したい。今季、巨人は3捕手併用制でシーズンを戦ったため、出場機会を減らしたが、4年連続でセ・リーグ盗塁阻止率ナンバー1の座は死守(今季は.419)した。また、国際大会の経験も豊富で、17年のWBCでも正捕手として打率.450をマーク。大会ベストナインに相当するオールチームの候補にも挙げられていたほどの活躍を見せた(オールチームにはプエルトリコのモリーナが選出)。

 国際大会ではバットも好調な小林に対し、28日にともに練習に合流した松田宣浩(ソフトバンク)は、「代表に来たら“スーパー誠司くん”になるんやろ? 巨人じゃなかった30発。スーパー誠司くん、よろしく!」と発破(?)。バント練習中だった小林は、とにかく明るいベテランの、マシンガントークに苦笑いだったが、その期待感はある。甲斐拓也(ソフトバンク)、会沢翼(広島)も選出されており、捕手の起用法とともに注目だ。

文=坂本 匠 写真=小山真司
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