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勝てば優勝の早慶戦。慶大にVをもたらす鉄壁の守備力を誇る遊撃手・瀬戸西純

 

慶大不動の遊撃手・瀬戸西純は2年春からレギュラー。守備機会の多いポジションで、通算51試合で6失策と安定感抜群である


 アウトにできる打球を、確実にアウトにする。野球選手の皆が口にするフレーズだが実際、実践するのは容易なことではない。

 いつも淡々と打球を処理。そして、正確なスローイング。慶大不動の遊撃手・瀬戸西純(3年・慶應義塾高)はまさしく「安心ブランド」である。

 常に打者のスイングを観察し、投手の配球により、守備位置を巧みにシフト。幾度も瀬戸西の的確なポジショニングと、堅実なディフェンス力がチームのピンチを救ってきた。

 慶大はこの秋、開幕8連勝。残すは11月2日からの早慶戦。慶大はこのカードで1勝すれば、3季ぶり37度目の優勝が決まる。社会人野球・JX-ENEOSで都市対抗優勝3度、東京六大学でも2度のリーグ制覇へ導いた慶大・大久保秀昭監督は、攻撃力を重視したオーダーを組む傾向にある。

 だが、瀬戸西よりも打力が上の遊撃手がいるというが、元近鉄捕手の指揮官は「彼以上に守れる選手はいない。大学球界でもトップレベル。しかも、頭脳にも、長けていますから」と全幅の信頼により起用されている。この秋も8試合で無失策。打率は1割に届かないが、主将・郡司裕也中日4位指名)に次ぎ2番目に多い8四球を選んでおり、不動の八番打者として、貴重なつなぎ役を果たしている。

 中学時代は強豪・中本牧シニアでプレーし全国大会出場。慶應義塾高には一般入試で超難関を突破し、慶大法学部政治学科に在籍するエリートだ。勉強も野球も一緒である。決して背伸びをせず、努力してきたことを信じ、試合では自分のできることを最大限に発揮する。だから、大一番でも冷静にプレーすることができる。

「そこ(守り)がダメなら、存在価値はない」

 好きな選手は西武源田壮亮で日々、動画を見て研究を重ねている。慶大の守り。二塁キャンパス付近には大きな「壁」がある。

 勝てば優勝の早慶戦。慶大の生命線は、ショートストップにある。肌身離さない大事なグラブを手に、仕事人・瀬戸西は万全の準備で神宮に立つ。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
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