プレミア初制覇を目指す侍ジャパンのメンバー
2015年に行われた前回大会では、準決勝で韓国に敗れ、初代王者の座を逃しているだけに、来夏に行われる東京2020オリンピックを前に、2009年のWBC以来遠ざかる世界一のタイトルを全力で狙いにいく。
ケガやコンディション不良で招集できないメンバーや辞退者も続出したが、今大会に出場するメンバーは「現在考えられる最高の28人」と
稲葉篤紀侍監督も自信をのぞかせる。
日本のストロングポイントは世界に誇る投手陣だ。大会スケジュールの関係で先発は4〜5人が予定されており、台湾で行われるグループB(12カ国・地域が3グループに分かれてオープニングラウンドを実施。日本はグループB)のオープニングラウンド3試合に先発予定の3選手が、日本で行われるスー
パーラウンド、決勝でも先発が期待される3本柱だ。
11月5日に行われる初戦のベネズエラ戦(台湾・桃園)には今季のセ・リーグ最多勝&勝率第一位投手の
山口俊(
巨人)、翌6日の第2戦のプエルトリコ戦(台湾・桃園)にはサブマリン・
高橋礼(
ソフトバンク)、7日のチャイニーズ・タイペイ戦(台湾・台中)には
今永昇太(
DeNA)の先発が予想される。
ただし、スーパーラウンド進出後は決勝まで想定すると7日間で5試合のタイトなスケジュールとなるため、発熱の影響でオープニングラウンドの先発を回避した
岸孝之(
楽天)、台湾では中継ぎで待機した
大野雄大(
中日)も先発に加わることが予想される。
抑えは今季セのセーブ王・
山崎康晃(DeNA)の一択。連投も辞さない覚悟を示しているが、展開によっては今季巨人で抑え経験もある
中川皓太が最後を任されることも考えられる。その中川は7回、
山本由伸(
オリックス)が8回でこれが日本の勝利の方程式。山本はオリックスでは先発だが、リリーフ経験豊富で稲葉監督がボールの威力を買い、セットアッパーに。
大竹寛(巨人)は対右、
嘉弥真新也(ソフトバンク)は対左のワンポイント、
山岡泰輔(オリックス)はロングリリーフ(第2先発)、
田口麗斗(巨人)、
甲斐野央(ソフトバンク)はオールラウンダーとして期待される。
坂本勇人ら日本の好打者たちがラインアップに名を連ねる
「守りからリズムを作り、攻撃につなげたい」と稲葉監督は話すが、その攻撃陣も「スピード、パワーに経験を重視した」と言うように、
松田宣浩(ソフトバンク)、坂本勇人(巨人)、
菊池涼介(
広島)、
山田哲人(
ヤクルト)に
鈴木誠也(広島)は2017 WORLD BASEBALL CLASSIC経験者で、日本を代表する好打者たち。なかなか大きな大会に参加の機会がなかった
浅村栄斗(楽天)も中軸候補だ。
「国際大会ではなかなか点が取れない」と稲葉監督は警戒するが、破壊力だけではなく、打撃技術にも長けたメンバーたち。点の取りにくい国際大会とはいえ、期待できるラインアップではないか。また、日本シリーズで一躍全国の注目を集めることとなった足のスぺシャリスト枠の
周東佑京(ソフトバンク)もメンバー入りしており、起用法にも注目だ。
文=坂本匠 写真=小山真司