週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

セ・リーグ6球団 来季の台頭が期待できる若手は?

 

読売ジャイアンツ



 原辰徳監督が「やっぱり参加するのがジャイアンツ」とFA戦線の参戦を表明し、左打ちのスラッガーは獲得候補であるが、同時に成長が期待されているのが山下航汰だ。今季、育成出身で高卒1年目ながら支配下昇格を勝ち取り、一軍でも安打を放ったイースタン・リーグの首位打者である。阿部慎之助が引退で、亀井善行も来季38歳。山下が外野の一角を奪うことができれば、亀井を先発と手薄な左の代打の両にらみで起用することができ、チーム力はアップする。今季の一軍経験を糧に、成長が期待される。

横浜DeNAベイスターズ



 8月に一軍昇格すると、デビュー2戦目のスタメン抜擢で2本塁打を放ち、度肝を抜いた裕季也。ルーキーイヤーは21試合の出場で、打率.288、4本塁打、7打点。数字よりも周囲に与えたインパクトが大きかった。筒香嘉智がチームを離れる今、ラミレス監督が「ソトや佐野が有力だが、伊藤裕にもその素質がある」と高い評価を下し、「四番候補の一人」に名前を挙げるのもうなずける。開幕から一軍定着が期待できる来季は、かなりの数字を残しそうだ。

阪神タイガース



 今季は先発として活躍が期待されたが、8試合、31回1/3(1勝1敗)のみの登板に終わった望月惇志。魅力である150キロ台の真っすぐが長いイニングでは通用しなかった。ただ、巨人とのCSファイナルステージの第1戦(東京ドーム)で先発に抜てきされたが、矢野耀大監督の期待の表れだ。真っすぐがただ速いだけでなくキレを出すことで、変化球も同様にキレが出てくる。それが長いイニングの投球へとつながり、来季の飛躍へとなる。球にキレを出すために、秋季キャンプで山本昌臨時コーチに助言を受け、フォーム修正を行っている。

広島カープ



 広島では、今季、プロ初登板から10試合連続無失点を記録、一時は8回に投げるセットアップを任されるなど、リリーフで実績を積んだ20歳の遠藤淳志が、来季は先発に挑戦する。今季はチーム事情でリリーフ起用となったが、これまでファームでは主に先発起用されており、もともとは先発タイプ。本人も、走者がいない場面ではワインドアップで投げるなど、先発への気持ちは失っていなかった。ケレン味なく投げ込むストレートに、スライダー、タイミングを外すカーブ、追い込めばフォークやチェンジアップもあり、先発でも投げられるだけの投球の幅を持つ。スタミナ面にも自信を持っており、先発に定着して一気に白星を重ねる可能性も十分だ。

中日ドラゴンズ



 今季、後半戦で9試合に登板し、一軍で戦力となることを力で証明した山本拓実の、先発ローテーション定着が期待される。167センチと小柄な部類だが、「メンタルの強さが武器で自信がある」と強気の投球が持ち味だ。7月24日の広島戦(マツダ広島)で今季初登板以降、リーグ戦終了まで先発ローテに食い込み、確かな手応えと経験を得た。充実のシーズンとなったはずだが、「すべてにおいて物足りない」と、来季以降のさらなる飛躍を望み、カットボールの軌道でスライダーのように曲がって落ちる“スラッター”を新たに取り入れようとしている。「1年間先発で投げ抜きたい」と意欲十分の右腕は、開幕先発ローテ入りを目指す。

東京ヤクルトスワローズ



 投手陣再建が大命題となっているヤクルトに、生きのいい先発右腕が台頭した。高知中央高から2013年ドラフト3位で入団した田川賢吾だ。故障もあり2016年オフに育成に降格したが、18年開幕前に再び支配下に。今季2度目の先発となった9月15日の広島戦(マツダ広島)では6回途中1失点でうれしいプロ初勝利を手にした。16年オフから同僚の小川泰弘高橋奎二とともに前巨人の上原浩治氏の合同自主トレに参加し、投手としての心技体を学んできた。プロ7年目にしてつかんだ大きな1勝。189センチの長身右腕が、いよいよ先発ローテーション争いに参戦する。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング