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パ・リーグ6球団 来季の台頭が期待できる若手は?

 

北海道日本ハムファイターズ



 まだまだ粗削りだが、規格外の才能を秘めた19歳にいま熱視線が注がれている。1年目のシーズンを終えた万波中正。イースタン・リーグではコンスタントに試合に出続け、チームトップの14本塁打をマーク。その活躍が認められ、高卒新人ながら8月には一軍でスタメン出場も果たした。結果は2三振、右飛のノーヒットに終わったが、自慢のフルスイングと躍動感あるプレースタイルでファンを魅了した。また、現在行われている沖縄・国頭村での秋季キャンプでは、球団が業務提携しているMLBレンジャーズのスカウトがキャンプを視察して一番印象に残った選手に「マンナミ」の名を挙げるなど、その高い身体能力はメジャースカウトをもうならせた。チーム期待の右のスラッガーとしてこのまま成長を続ければ、レギュラー争いのダークホース的な存在に加わってくる可能性も十分にある。

埼玉西武ライオンズ



 26試合に登板し、2勝1敗6ホールド1セーブ、防御率3.38――。高卒2年目の今季、セットアッパーとして立派な数字を残した平良海馬だが、来季はさらなる台頭が期待される。8月27日の日本ハム戦(釧路)では球団史上最速タイの158キロをマーク。変化球でストライクが取れるようになるなど、成長を果たした。ソフトバンクとのCSファイナルステージでは初戦でリードを守れず苦い経験をしたが、それも糧にする。来季、開幕からフル回転したら、どれだけ突き抜けた数字を残すか今から非常に楽しみだ。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・高橋純平


 4年目の今季、高橋純平はようやく開花の時を迎えた。過去3年間の一軍登板はわずか1試合だったが、今季は中継ぎとして45試合に登板して防御率2.65。信頼をつかんで勝ちパターンを任されるまでに成長した。しかし、来季に向けては新たなスタートを切る。「将来的には先発をやりたいという気持ちはある」。先発転向、ローテ入りへの覚悟はさっそく秋季キャンプでの取り組みにも表れており、ランニングメニューにはトップを快走。ブルペンではプロ入り後ほとんど投げていなかったカーブの再習得に努めている。将来のエース候補となれるか。競争を激しくする若手の出現はチームにとっても望ましい限りだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 初白星は圧巻の内容だった弓削隼人。7月30日の日本ハム戦(札幌)に先発すると、得意のカットボールで凡打の山を築き、101球でプロ初完投初完封。「一球一球、打たせる投球ができた」と胸を張った。身長193センチの大型左腕で「和製ランディ・ジョンソン」とも呼ばれるが、剛速球とは無縁。本人の言葉どおり、打たせて取るタイプだ。相手主砲の「何で打てないんだろう……」という言葉が、その投球スタイルを的確に表している。今季は開幕6枚目の先発に抜てきされながら、一軍定着はできなかった。まずは首脳陣の信頼を勝ち取り、先発ローテ定着を目指す。

千葉ロッテマリーンズ



 確かな手応えと悔しさを味わった高卒2年目のシーズンだったはずだ。安田尚憲はイースタン・リーグで122試合に出場して打率こそ.258にとどまったものの、19本塁打、82打点、116安打はいずれもリーグ最多。一方で一軍の試合に出場する機会は最後まで訪れなかった。今オフはプエルトリコのウインター・リーグへ派遣され、さらに腕を磨いている。今季は同級生のヤクルト村上宗隆がブレークし、大きな刺激になった。主戦場の一塁、三塁には井上晴哉レアード、残留すれば鈴木大地がいるが、一歩も引く気はない。未来の四番として期待されるチーム待望の和製大砲が、3年目の覚醒を迎えるシーズンにするはずだ。

オリックス・バファローズ



 新人年の今季は4月からファームで抑えを務め、一度も配置転換されることなくシーンズンを完走した漆原大晟。23セーブを挙げてウエスタンのタイトルを獲得しただけでなく、“無敗”の数字も誇れるもの。150キロ超の直球に落差のあるフォークを操り、クローザーとしての資質は十分。今季、一軍では増井浩俊が不振で中継ぎに回り、ディクソンが代役ストッパーに。世代交代が近づく“抑え候補”に名乗りを挙げそうだが、漆原は背番号127の育成選手。まずは支配下登録を勝ち取り、一軍昇格の権利を手にできるか。来春キャンプから注目だ。

写真=BBM
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