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一部復帰は叶わなかった拓大。「いい反省材料にして、一部に定着できる力を日々、積み重ねたい」(内田監督)

 

拓大・内田俊雄監督はイニング間、選手たちに指示を送る。駒大との一部二部入れ替え戦2試合では、持ち味を発揮できなかった


「戦国東都」の醍醐味は、一部二部入れ替え戦である。一部最下位の駒大が2連勝で、二部優勝・拓大を下して一部残留を決めた。

 拓大を指揮するのはかつて亜大監督として大学選手権優勝3度、明治神宮大会優勝2度に導いた内田俊雄監督(72歳)である。

 2006年から率いる拓大でも13年春に創部初の一部昇格を遂げ、一部では同秋から15年春まで4シーズンを戦った。しかし、同春の入れ替え戦で降格すると、15年秋からは二部での戦いが続いた。今秋は二部優勝。

 一部復帰のチャンスを迎えたが、2試合を通じて四球、失策で失点を重ね、主導権を握ることができなかった。打線も2試合で1得点。内田監督は2回戦後、肩を落とした。

「力の差が歴然としていた。(駒大には)一部でもまれている力があった」

 この秋、拓大の下馬評は決して高くなかった。とはいえ、東都二部は一部同様に群雄割拠であり、どこが勝ってもおかしくない。拓大はリーグ戦最終戦で混戦を制したのだ。

 2015年12月から内田監督を支える馬淵烈コーチ(父は拓大OBの明徳義塾高・馬淵史郎監督)は明かす。自身は拓大4年だった2011年秋の入れ替え戦(対中大)を「四番・三塁」で経験。1回戦で先勝も2、3回戦で連敗と、東都の厳しさを肌で味わっている。

「絶対的な戦力で、優勝したわけではない。これくらいの実力のチームでも、二部を制することができた。でも、一部に上がるにはまだ、力が足りない」。個々の技術に頼るのではなく、チーム力で勝ち上がったこの秋の事実は、新チームへの財産として残る。

「今回をいい反省材料にして、一部に定着できる力を日々、積み重ねてくれればいい」(内田監督)

 今秋、5勝を挙げて二部優勝の原動力となった右腕・多田裕作(3年・日体大柏高)は、入れ替え戦でも2試合を通じ10回1/3を投げて3失点(自責0)。「重圧? ありませんでした。楽しむことができました」と語る肝っ玉エースは「ちょっとは、自信になった。勝たせる投手になりたい」と前を向いた。

 拓大は来年、創部100周年を迎える。多田は「節目なので、ふさわしい結果になるように頑張りたい」と、神宮球場三塁ロッカー前の通路で2020年へ向けて、力を込めた。

文=岡本朋祐 写真=川口洋邦

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