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セ・リーグ6球団 2019年のMIPは?

 

チームで最も活躍したMVPとまではいかなくとも、印象深いプレーを数々見せ、必要不可欠な選手は誰だったのか? セ・リーグ6球団のMIPを見ていこう。

読売ジャイアンツ



 飛躍の1年となった。「シーズンが始まる前はこんなに活躍できるとは想像していないです。少しずつ信頼を勝ち得て、と思っていたので、うまくいき過ぎて自分でもびっくりしています」と言う中川皓太は、加入4年目にしてリリーフ陣の大きな柱に。チーム最多の67試合に登板し、4勝3敗、17ホールド、16セーブ、防御率2.37と安定した成績を残した。開幕第2戦の今季初登板から5月17日の中日戦(ナゴヤドーム)まで16試合、17イニング連続で無失点。一時はクローザーを務めるなど、強心臓も買われた。シーズン終了後には侍ジャパンに初選出されてプレミア12に出場中。来季もブルペンの柱と期待されている。

横浜DeNAベイスターズ



 プロ14年目、阪神からDeNAに移籍して2年目でキャリアハイとなる137試合に出場を果たした。華麗な遊撃の守備は今さら触れないが、今季は、時にリードオフマンとして、後半戦は下位に座り、打線のつなぎ役に徹するなどバットでもチームの勝利に貢献した。印象に残っているのが、交流戦での連夜のサヨナラ劇だ。6月19日の日本ハム戦(横浜)で、9回一死二塁から左中間への適時二塁打でサヨナラ勝ち。21日の楽天戦(横浜)でも9回二死二塁で右中間を抜けるサヨナラ打を放ち、3日間で2度のサヨナラ打に「声援に後押しされました」と目を丸くした。ここぞの場面で、頼りになる存在だった。

阪神タイガース


阪神・藤川球児


 今季4月中旬に一度、再調整を自ら志願するほどだった藤川球児だが、4月後半に再昇格すると6月11日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)まで18試合連続無失点と好調を維持した。その試合で通算150ホールド記録し、NPB史上初の「150セーブ&150ホールド」を達成。その後、クローザーのドリスが不調となると矢野燿大監督は藤川を抜てき。もちろん過去2度の最多セーブを獲得しているベテランだけあって、安定した投球を披露し、56試合に登板し4勝1敗23H16S、防御率1.77という驚異的な数字を残した。藤川の安定感なしには、リーグ3位はなかったといっても過言ではない。

広島カープ



 広島では西川龍馬だ。5月1日から6月5日にかけて、歴代11位タイの27試合連続安打をマークしたり、7月下旬に4カード連続の先頭打者本塁打した記録面に加え、6月16日の楽天戦(楽天生命パーク)でワンバウンドになりそうなボールを勝ち越し打にするなど、天才的なバットコントロールでの数々のヒットも印象深い。また、松山竜平の不調を受けて5月から五番、バティスタの調子が落ちた6月半ばからは三番、7月中旬からは、田中広輔が外れた後、固定できなかった一番と、厳しい状況になった打順に次々とはめられながら、結果を残し続けたのが光る。3割にはわずかに届かなかったが、MIPであり、「陰のMVP」ともいえる働きだった。

中日ドラゴンズ


中日・高橋周平


 故障離脱も、チームのために早期復帰を選んだ。今季から主将に就任した高橋周平は、7月16日の阪神戦(ナゴヤドーム)で出塁した際、けん制で一塁に滑り込んで負傷。後日、右手小指の橈側側副靱帯断裂と診断された。手術という選択肢もあったが、チームのために早期復帰を望み、保存療法を選択して8月中旬には一軍に合流。自身初の3割には届かなかったが、規定打席に乗せ、リーグ8位の打率.293の活躍を見せた。三塁手部門でゴールデン・グラブ賞も受賞。「言葉で引っ張るタイプではない」という25歳の若き主将は、攻守でチームをけん引した。

東京ヤクルトスワローズ



「速い球を投げる投手は貴重な存在」と高津臣吾監督が評価するように、来日1年目からブルペンに欠かせぬ存在となった。最速158キロの剛速球を武器に、チーム3位の65試合に登板。18ホールドは同4位の数字。石山泰稚の離脱時にはクローザーを務め、11セーブを稼いでいる。チームの弱点とされる投手陣の中で奮闘を見せた。「日本野球」に適応しようとする真摯な姿勢もチームメートから評価されている。来季の年俸は倍増となり、残留することが決定。「再契約できてうれしい。来季は優勝に貢献したい」と意気込んでいる。

写真=BBM
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