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パ・リーグ6球団 2019年のMIPは?

 

チームで最も活躍したMVPとまではいかなくとも、印象深いプレーを数々見せ、必要不可欠な選手は誰だったのか? パ・リーグ6球団のMIPを見ていこう。

福岡ソフトバンクホークス



 オープン戦まで3ケタ背番号だった。そこから支配下、一軍とステップアップした周東佑京は、今季のソフトバンクを象徴する選手と言っていいだろう。シーズン序盤からケガで戦力が整わないチームだったが、それでも首位をひた走った要因の一つは若手選手の台頭だ。中でも周東は足を武器に一軍入りを果たし、前半戦は内野手登録ながら故障者の穴を埋めるべく外野のスタメンとしても出場を重ね、後半戦は代走をメーンに躍動。支配下1年目から102試合に出場、チームトップの25盗塁をマークし、ポストシーズンでも相手バッテリーを警戒させて得点につなげるなど存在感が光った。12球団トップレベルの俊足は侍ジャパン・稲葉篤紀監督の目にも止まり、開催中の『WBSC プレミア12』では侍ジャパンの“ジョーカー”として世界をも驚愕させている。

北海道日本ハムファイターズ



「恐怖の二番打者」として日本ハム打線をけん引したのが、プロ11年目を迎えた大田泰示だ。132試合に出場して安打数はチームトップの161本、ホームランも自己最多の20本塁打をマークした。バントをしない二番として、前後を打つ西川遥輝近藤健介と多くの得点チャンスを生んだ。もはや大田の代名詞にもなったガッツあふれるヘッドスライディング、外野でのアグレッシブな守備も含め、日本ハム移籍3年目でその存在は欠かせないものとなった。「泰示の力なら別に普通」と栗山英樹監督は意に介さず、さらなる潜在能力の開花に期待を寄せる。投手のMVPは有原航平だが、間違いなく打者で最も輝いたのはこの男だ。

埼玉西武ライオンズ



「シーズン70試合登板」を目指した今季、目標を軽く超える登板数をマークした。1961年の稲尾和久(西鉄)の78試合登板を更新し、パ・リーグ新記録となる81試合登板。どんな展開でもマウンドに上がり、懸命に腕を振り続けた。嬉々として回またぎのマウンドにも上がる頼もしい姿を、ファンはいつしか「平井プロ」と呼んだ。前半戦は44試合に登板し、防御率1.85。それが最終的には防御率3.50と後半戦は打ち込まれる場面も目立ったが、リーグ連覇を果たしたチームで印象的な活躍をしたのは間違いない。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天石橋良太(右。左は平石監督)


 開幕時には、先発の頭数に入っていなかった。それでも中継ぎとしてプロ初勝利を挙げるなど、徐々に存在感を示すようになると、5月から先発に配置転換となる。そして同26日、先発として初めて白星をつかんだ。今季は19試合に先発して8勝7敗と一つ勝ち越し、重ねたイニング数は美馬学に次ぐ2位の数字。先発陣の柱としてフル回転を見せた。2016年ドラフト5位入団で、17年オフには育成降格という試練も味わったが、たくましくなって戻ってきた。飛躍のきっかけはシュート習得で、これは平石洋介監督の助言によるもの。チームの3位躍進は、この右腕なしでは成し遂げられなかった。

千葉ロッテマリーンズ



 昨季の守護神・内竜也が不在の中でクローザーに返り咲くと、チーム最多の60試合に登板して27セーブ、防御率2.15をマーク。5月こそ月間防御率8.10と乱れはしたが、トータルでは被打率.181、自慢のシンカーに至っては被打率.122と圧巻のキレ味を見せつけ、しっかりと自らの役割をまっとうした。プロ8年間で7度目の50試合以上登板、5度目の60試合登板となった鉄腕は今オフ、国内FA権を行使せずに残留を表明。来季もカモメの守護神として最終回のマウンドに仁王立ちするはずだ。

オリックス・バファローズ



 貢献度は数字だけでは測れない。昨オフに金子弌大(日本ハム)、西勇輝阪神)が移籍し、若返った投手陣を山岡泰輔がまとめ上げた。自身初の開幕投手から始まった今季はチームで唯一、離脱することなく先発ローテを守り抜き、初の2ケタ勝利を達成。防御率こそ3.71ながら、勝率.765でタイトルを獲得するなど、“勝てる投手”に。試合前練習でも「良い投球をしたら『ナイスピッチング』、打たれたときは『(失点した)あの場面だけだったね』『もう1イニング投げたかったね』という簡単な声かけはするようにした」と、若手投手陣を鼓舞し続けた。投打のMVPは山本由伸吉田正尚が挙げられるが、若返りが進むチームのMIPは、この男だ。

写真=BBM
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